アスレチックス入団の桐朋・森井翔太郎 学業補助金3900万円の尊い価値 高卒即メジャー加速へ

2025年2月3日(月)7時33分 ココカラネクスト

森井の決断は今後の球界にも影響を及ぼしそうだ(C)産経新聞社

 球界の未来を変える、大きな出来事でした。

 昨秋のドラフト上位候補に挙がっていた桐朋(東京)の二刀流・森井翔太郎が1月15日(日本時間16日)、アスレチックスとマイナー契約を結びました。

【画像】「二刀流」森井翔太郎がアスレティックスとマイナー契約 球団が投稿した実際の写真

 投げては最速153キロ右腕、打っても高校通算45発を誇る左の強打者には、NPBスカウトも上位候補として関心を寄せていましたが、森井は昨秋ドラフト会議の前に進路をMLB一本に絞り、12球団には「指名NG」の意向を通達しました。

 2012年、同様にMLB挑戦の意向を示した花巻東・大谷翔平を巡っては、ドラフト会議の前に日本ハムが指名の方針を示し、結果的に単独指名に成功。大谷を口説き落とし、NPBでのプレーを経てメジャー挑戦したことも記憶に新しいです。

 高卒のドラフト上位候補がNPBを経ずにMLB行きを決断し、NPBの上限を大きく上回る契約金151万500ドル(約2億3600万円)が提示されたことから、今後は「高卒即メジャー」の流れが加速するのではとも言われています。

 スポーツ紙のデスクはこう解説します。

「ドラフト前には各球団のスカウトが『〇〇は森井を強行指名するのでは』という噂も流れたりしましたが、ふたを開けてみたら無風でした。というのも、昨年のドラフトは例年に比べて逸材が少なく、上位で指名したのに入団拒否ともなれば、大切な上位の1枠をみすみす失うことになる。各球団とも桐朋サイドには念入りにMLB行きの意思が強固であると確かめた上で、指名を回避したと言われています」

 その上で、今回の契約のポイントをこう語るのです。

「今回の契約では、学業補助金として25万ドル(約3900万円)が付いたんです。これは主に引退後、学業に就くことを奨励するためのお金です。つまり、米国の考え方では『大学はいつでも行けるし、いつでも学べる』というもの。日本球界の場合、有望選手に対する名門大学の口説き文句は『高卒即プロよりも、大学を出ておいた方が長い人生、絶対にトクだよ』だった。プロでの現役を終えてから大学に行っても遅くないという米国流の考え方は、日本の大学野球関係者にとって脅威でしょう」

 森井は小学校から中学、高校と偏差値71とも言われる桐朋学園で学んだ秀才。それゆえの学業補助金でもありますが、今後も文武両道を目指すドラフト上位候補の高校生が現れた場合、今回の森井の決断は、大きな道標になると言えそうです。

 尊い決断を経て、大志を胸に海を渡る高卒選手が増えることは、時代の流れ。もう止められないかもしれません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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