アンドレ・ロッテラー、初のLMP2からのル・マン24時間出場が決定。サージェントの代役として
2025年3月8日(土)13時51分 AUTOSPORT web

ローガン・サージェントが参戦を取りやめたことにより空席となっていたELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズのIDECスポールのシートに、コルベットのファクトリードライバーであるダニエル・ジュンカデラが起用されることが明らかとなった。
同チームは、3月3日に発表されたエントリーリストにより、2025年ル・マン24時間レースへの出場も決まっているが、このイベントでは、2026年よりジェネシスLMDhのドライバーとなるアンドレ・ロッテラーが参戦することも同時に発表されている。
■「若いチームに僕の経験をもたらすチャンスが与えられた」とロッテラー
2026年のWEC世界耐久選手権に新規LMDh車両をデビューさせるヒョンデの高級ブランド、ジェネシスは、最高峰クラス参戦に備えるためにIDECスポールと提携し、2025年はELMSのLMP2クラスに参入する。
当初はローガン・サージェント/ジェイミー・チャドウィック/マティス・ジョルベールというトリオが予定されていたが、サージェントは2月になって「別の利益を追求する」として、チームを離れていた。
このサージェントに代わり、ジュンカデラはELMSで18号車オレカ07・ギブソンのラインアップに加わり全6戦のELMSに参戦する。さらに同車両はル・マン24時間のLMP2クラスにも参戦するが、ジュンカデラはTFスポーツのシボレー・コルベットZ06 GT3.RをドライブでWECにフル参戦しているため、ル・マンではIDECスポールに加わることができない。
そこで白羽の矢が立ったのが、2026年からのジェネシスのワークスドライバーに決定しているロッテラーだった。
ロッテラーは、これまで13回のル・マン出場経験を持ち、総合優勝も3度果たしているが、LMP1およびハイパーカー・カテゴリーにしか出場しておらず、初めてLMP2車両でフランスの耐久クラシックに参加することになる。
「この機会は、僕らのコラボレーションの最初の段階から話し合われてきたものだが、常に優先されていたのはジェネシスが進める『軌道』プログラムのドライバーたちだった」とロッテラーは語った。
「最終的にローガンの撤退により、ル・マンに戻り、この若いチームに僕の経験をもたらすチャンスが与えられた。このクルマはとても競争力がありそうだ。僕はすでにマティスとジェイミーと話し合っており、僕らは強力なトリオとなるだろう」
「この機会を与えてくれたジェネシス・マグマ・レーシングとIDECスポールに感謝したい。ル・マンでのレースは常に特別であり、この経験は、シーズンの残り期間、僕が(ドライバーとして)シャープな状態を保つのに役立つだろう」

■「論理的な選択」とヒョンデのシリル・アビテブール
ジュンカデラは2018年のデイトナ24時間レースでJOTAスポーツのLMP2カーでレースをした経験があり、昨年のWEC最終戦後のルーキーテストでは、キャデラックVシリーズ.Rのシートも体験した。
「IDECスポールとジェネシス・マグマ・レーシングに参加できて本当にうれしい」とジュンカデラ。
「このような経験豊富なチームでELMSデビューを果たせるなんて、素晴らしい機会だ」
「現在はGT3でレースをしているが、デイトナ24時間レースでLMP2の経験はすでにある。チームがすぐに慣れるのを助けてくれると確信している。僕のシングルシーターの経験は、空力マシンを扱ううえでのリファレンスにもなるだろう」
「この信頼をくれたチーム全員に感謝したい。彼らと一緒に仕事を始めるのが楽しみだ。それは今週から始まるんだ!」

ヒョンデ・モータースポーツ社長のシリル・アビテブールは次のようにコメントしている。
「ダニは、ハイパーカーでレースをする機会がまだない、才能あるドライバーを採用することを目的とした当社の“軌道”プログラムにぴったりだ。彼はマティスとジェイミーを完璧に補完し、非常にバランスの取れたチームを作ってくれる」
ル・マンにロッテラーを招集するという決定について、アビテブールは次のように付け加えた。
「これは論理的な選択だ。アンドレは豊富な経験があり、すでにこのイベントで3回優勝している。来年ハイパーカーで我々と一緒にレースをすることになるため、彼はジェネシス・マグマ・レーシング・ファミリーの一員だ」
