高地の戦いは「ハイブリッドを効率的に使うことが重要」とオジエ/2023年WRC第3戦 事前コメント

2023年3月15日(水)6時45分 AUTOSPORT web

 3月16日(木)から19日(日)にかけて、メキシコ・グアナフアト州最大の都市であるレオンを中心に、WRC世界ラリー選手権第3戦『ラリー・メキシコ』が開催される。2023年シーズン最初のグラベル(未舗装路)ラリーにして、2020年以来3年ぶりの実施となる同イベントに向け、最高峰クラスに参戦するトヨタ、ヒョンデ、Mスポーツ・フォードの各陣営からドライバーコメントが発表されている。


■Mスポーツ・フォードWRT


●オット・タナク(#8 フォード・プーマ・ラリー1)


「テストではプーマ・ラリー1で初めてグラベルを走行したけれど、できるかぎりのことを見つけ出すことが重要だった。ほとんどのラリーはグラベルで行われるので、僕たちはスペインで2日間のテストを行うことにした。チームは改善を続けるために懸命に取り組んでいるが、僕たちの立ち位置を本当に理解するには、まずグラベルでラリーをする必要があるだろうね」


「メキシコでの重要な課題は、標高と気温のふたつだ。高地にあるので、(エンジンの)出力が下がってマシンの挙動はかなり変わってしまう。メキシコの道路は実際は楽しいよ。とても難しいステージがある。まるで高温のなかを永遠にドライブしているような感じがするが、大きなコンプレッションとジャンプがある高速セクションもある」


「僕たちはチャンピオンシップの首位にいるから、ラリー・メキシコでは1番に出走しなければならない。雨だとスタートするのにいい場所になりそうだけれど、ほとんど雨の降らない場所に自分が雨を引き寄せられるとは思わないよ!」


●ピエール-ルイ・ルーベ(#7 フォード・プーマ・ラリー1)


「僕にとってヨーロッパの外でラリーをするのは初めてなので、またしても新しい経験になる。グラベルに戻るのに興奮しているよ。僕のグラベルでのペースは良いから、メキシコで好結果を出すことを目標にしている」


「昨年のギリシャとサルディニアでの経験が助けになると思う。状況はラリーごとに変わるけれど、経験は常に大いに役に立つものだ。このラリーに向けた準備は順調で、長時間の走行を行っているし、道路について学ぶために助けになる資料がたくさんあるんだ」


「テストはうまくいったので、とても喜んでいる。昨年のギリシャでの感覚を取り戻したし、マシンはとても力強く感じる。結果を出すために必要なことはすべてそろっていると思うし、ペースも出ているから、様子を見ていこう」

Mスポーツ・フォードWRTのフォード・プーマ・ラリー1


■ヒョンデ・シェル・モビスWRT


●ティエリー・ヌービル(#11 ヒョンデi20 Nラリー1)


「ラリー・メキシコは最高のイベントで、いつも僕にとってシーズンのハイライトになる。素晴らしい道路のある美しい国だ。いつも多くのサポートがあるんだ」


「しかし多くの理由から厳しいラリーになる。シーズン最初のグラベルラリーで、気温は高く、高地にあるからマシンには過酷だ。今年はハイブリッドのマッピングを適切にして、その余力を活かすことが重要になる」


「強いトラクションがかかるようにマシンをセットアップし、正確なドライビングをすることも、パフォーマンスを発揮するうえでとても重要だ。この週末に向けた目標は、先頭集団に入りまた表彰台を争うことにある」


●エサペッカ・ラッピ(#4 ヒョンデi20 Nラリー1)


「メキシコはいつも特別なラリーだ。高地にあるために、通常はエンジンパフォーマンスが落ちてしまうし、気温も高い。そうしたことが新しいハイブリッドシステムを通じてどのように感じられるか興味深いものだ」


「ステージは、(前戦の)スウェーデンとはほぼ正反対だね。はるかに低速で難易度がとても高い。ルーズなグラベルの薄い層があるので滑りやすい。つまり、リヤのグリップがとくに重要になるということだ」


「僕たちの出走順は6番目だから、有利になるはずだ。前に出発するクルマが掃除役をしてくれて、クリーンなラインがついているだろうからね。安定した力強い週末にしたい。初めのふたつのラウンドを終えて、僕たちはそうできると感じているんだ。そのことを念頭に置けば、確実に表彰台を争えるはずだ」


●ダニ・ソルド(#6 ヒョンデi20 Nラリー1)


「ラリー・メキシコは本当に素晴らし道路のあるアメイジングなイベントだ。ファンや観客たちはエネルギーと情熱にあふれていて、素晴らしいラリーの雰囲気を作り出してくれる。標高が高いことも独特だね」


「クルマはパワーが減ってしまうので、感触が少し変わってしまう。身体的には、薄い空気に慣れておかないといけないし、高い気温も身体への負担が大きい。間違いなく余計に疲れることになるよ」


「このラリーでの目標は、できるだけ上の順位でフィニッシュすることだ。トップの近くであることを願っている。うまくいけば、優勝争いに加わることもできると考えている。最低限でも表彰台には上がりたいね」

ヒョンデ・シェル・モビスWRTのヒョンデi20 Nラリー1(ダニ・ソルド)


■TOYOTA GAZOO Racing WRT


●カッレ・ロバンペラ(#69 トヨタGRヤリス・ラリー1)


「久しぶりにグラベルラリーに出場することができるのはうれしいし、とくにメキシコは前回から随分時間が経っているのでなおさらだ。標高が高く、グラベルラリーのなかでも際立って特殊なイベントなので、いつもどおりトリッキーなラリーになると思うけど、ふたたびメキシコを訪れることは本当に楽しみだ」


「ラフなグラベルコンディションでクルマを改善し、ペースを向上させるため、チームは多くの作業を行ってきた。そして、スペインで最近実施したテストでは、開発が確実に正しい方向に進んでいることを確認できたよ」


「メキシコでは出走順がひとつ違うだけでも大きな差がつくので、1番手スタートではないことは良かった。もちろん後方からスタートするライバルよりは厳しい条件だけど、ベストを尽くして戦うつもりだ」


●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)


「WRCのカレンダーにメキシコが復活したことをうれしく思う。最初の2戦と比べると、気候に関してつねに少なからずカルチャーショックを受けるイベントであり、毎回大きなチャレンジになるはずだ」


「標高が本当に高いエリアでのラリー出場は数年ぶりだし、高温と乾いたグラベルでの戦いになることが予想される。この時期のヨーロッパで、そのような状況をテストでシミュレートするのは非常に難しいが、できる限り再現するように試みた」


「路面が乾いていて多くのルースグラベルに覆われている時は、トラクションがカギになるので、クルマの全領域について開発を進め、あらゆる状況に合わせられるように改善をしてきたので、可能な限りの準備はできたと思う」


●セバスチャン・オジエ(#17 トヨタGRヤリス・ラリー1)


「ラリー・メキシコが復活すると知ってすぐ、もう一度出場したいイベントとして自分のカレンダーにマークした。メキシコは2008年に僕が初めてWRCに出た時のイベントであり、良い思い出が沢山あり、これまで多くの成功を収めてきたんだ」


「ラリーの雰囲気はいつも素晴らしく、美しいステージもある。僕がこのような路面のグラベルラリーに出るのは昨年のポルトガル以来なので、スペインでの事前テストは、良いフィーリングを得るためにとても重要だった」


「高地でつねに感じるパワーの低下に対し、ハイブリッドがどのように役立つか興味深いところだね。パフォーマンスに大きな違いが出るかもしれないから、これまで以上にハイブリッドを効率的に使うことが重要になるだろう」

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