【侍ジャパン】大谷翔平ヒヤリ喜びすぎに注意…プエルトリコの過ち繰り返すな

2023年3月18日(土)11時31分 ココカラネクスト

(C)Getty Images

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)1次ラウンドD組のプエルトリコが、優勝候補ドミニカ共和国を5−2で撃破し、準々決勝進出を決めた一戦でアクシデントが起こった。守護神エドウィン・ディアス(28=メッツ)が、試合終了後にできた歓喜の輪の中で転倒して負傷。スタッフに担がれ、車いすでグラウンドを後にした。後日、右ひざの手術を受け、今季絶望となった。

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 メジャー通算205セーブのディアスは、救援投手としては史上最高の5年1億200万ドル(約153億円)で昨オフ、メッツと契約延長したばかり。ソフトバンクから移籍した千賀滉大(30)のチームメートでもあった。シーズン開幕前に守護神を失ったメッツにとっては大打撃だ。

 メジャーではこれまでWBCの開催時期をめぐる「故障リスク」が何度も議論されてきた。シーズン開幕前のため、例年より早い調整を求められる。国の名誉のため、状態を上げていく時期に無理をすれば、肉体的な負担がかかる可能性がある。選手が出場を希望しても、シーズンへのリスクを回避したい球団によって認められないケースが多々あった。

 今大会には大谷翔平(28)、ダルビッシュ有(36)らが参戦できたように、球団の理解が進みつつある。一方、米国代表で出場を表明したサイ・ヤング賞3度のクレイトン・カーショー(34=ドジャース)が2月に突然辞退したのは、保険会社の保険がきかなかったことが理由。「WBC保険の壁」によって出場を断念した有力選手も多かった。

 野球をする以上、ケガはどうしてもつきまとう。日本代表でも鈴木誠也(28=カブス)が米国キャンプ中に左脇腹を痛め、出場を断念。守護神候補の栗林良吏(26=広島)は腰の張りのため、登板がないまま1次ラウンドで代表チームを去った。源田壮亮(30=西武)は3月10日韓国戦で帰塁の際に右手小指を骨折しながら、チームに残ってプレーを続けている。

 日本のファンが肝を冷やした場面があった。12日オーストラリア戦で大谷が特大3ランを放った後に行われたハイタッチの儀式。出迎えたヌートバーが興奮し、大谷の右手を力いっぱい叩いた。あまりのパワフルさに、靱帯(じんたい)断裂で手術歴のある「二刀流」の右腕が持っていかれそうになるんじゃないかと不安に思った人もいたはずだ。

 プロ野球では1989年9月25日、オリックス門田博光がダイエー戦で本塁打を放った後、怪力の助っ人ブーマーとハイタッチして右肩を脱臼したことがある。以来「全力ハイタッチ」は自粛傾向にあるが、初代表の日系米国人ヌートバーは暗黙のルールを知るはずもないだろう。全力プレーの大谷も、とくに利き腕だからとかばうような様子もない。

 喜びすぎてケガをしてしまうほど、悲しいことはない。プエルトリコの過ちを繰り返さないためにも、侍ジャパンもチーム内で意思統一しておくことが必要だ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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