マリーニ、今季最高位も「タイヤ選択はミス」ミルは混走時の違和感を指摘/第3戦アメリカズGP 決勝
2025年3月31日(月)12時39分 AUTOSPORT web

3月30日、2025年MotoGP第3戦アメリカズGP MotoGPクラスの決勝レースがサーキット・オブ・ジ・アメリカズで行われ、ホンダHRCカストロールのルカ・マリーニは8位でフィニッシュし、ジョアン・ミルは転倒リタイアとなった。
年間300日近くも晴天に恵まれるというテキサス州オースティンだが、今大会の天候は初日から不安定。決勝日も、朝のウォームアップ走行はドライの路面で行われたが、決勝レース直前は小雨が降ったり止んだりと、各陣営はタイヤ選択で大きく混乱させられた。
最初のサイティングラップをウエットタイヤで回りグリッドに着いたホンダの2台だったが、8番グリッドにいたミルは明るくなっていく空に反応してピットに走り、ドライ用のマシンにチェンジ。あわやピットレーンスタートになり、ポイント獲得圏内からスタートする権利を失うかという心配もあったが、赤旗が掲示されてスタートディレイとなったおかげで命拾いする形となった。
その後、再び予選どおりのグリッドに整理され、1周減算となる19周のレースがスタート。ラインの選択肢がひとつしかない路面状況で、ミルとマリーニは混戦に飲まれポジションを少々失ったが、それでも前方のライダーに食らいつき、大きな5位争いの集団を形成した。
安定したラップを刻んでいた2台は着実に順位を回復し、ダブルポイントも確実かと思われた10周目、エネア・バスティアニーニ(レッドブルKTMテック3)と横並びで14コーナーに飛び込んだミルがフロントを失い転倒。予選Q2、スプリントに続き、またも悔しい形でレースを終えた。
残されたマリーニは終盤まで堅実にポイント圏内を走行。難しいコンディションで転倒の相次ぐサバイバルレースを生き残り、8位でフィニッシュした。マリーニはこのレースで8ポイントを獲得し、ポイントランキングを8位まで上げている。
現在ホンダはコンストラクターズランキングで2位につけているが、この2位争いは4ポイントのなかに3メーカーがひしめく接戦だ。シーズン唯一のナイトレースとなる次戦カタールGPで、この好位置を防衛できるかどうか期待がかかる。
ルカ・マリーニ(決勝:8位)
「パッケージの向上は毎戦確認できていて、セッティングでも大きな前進を遂げることができたと思う。バイクはより良く機能していて、特にコーナー進入の部分での走行を本当に楽しんでいる」
「しかし、前後ソフトという間違ったタイヤを選択してしまう、これまで同じような状況では犯したことのない僕のミスがあり、パフォーマンスを制限してしまった。路面は、乾くのに長い時間がかかった金曜日とは異なり、非常に早く乾いた」
「間違ったタイヤでも本当に良いレースができたのは、目を向けるべきポジティブな点だ。すべてをまとめることができれば、さらに多くのことを達成できるだろう」
ジョアン・ミル(決勝:リタイア)
「好位置で走っているときにまたクラッシュしてしまったのは本当に残念だ。特に今週末はもっとポテンシャルが高かったので、再びこのようなことが起きてしまったのは本当に悔しい」
「1台では速く走れるが、ほかのライダーとバトルをしているときはその感覚が失われる。とてもアグレッシブに走らなければならず、そうすると今回のようなことが起こる」
「今年は昨年と大きく異なりポテンシャルはあるのだが、それを引き出せていないのでチームと一緒にこの課題に取り組む必要がある」