阪神・森下 巨人戦4戦連発で田淵&掛布の偉業に王手 頼れる3番12球団トップの7度目決勝打

2025年5月21日(水)5時15分 スポーツニッポン

 ◇セ・リーグ 阪神4—0巨人(2025年5月20日 甲子園)

 阪神は20日、「伝統の一戦〜THE CLASSIC SERIES〜」と銘打たれた巨人戦(甲子園)の第1ラウンドに4—0で先勝した。3番・森下翔太外野手(24)が、初回に決勝打となる7号先制2ラン。球団では1999年ジョンソン以来で、球団日本選手では91年八木裕以来34年ぶりの巨人戦4試合連発をマークし、73年田淵幸一、82年掛布雅之が記録した球団最長5試合連発に王手をかけた。背番号1の3打点の活躍で、チームは3連勝。貯金を今季最多7とし、首位を堅持した。

 豪快、爽快、鮮烈、痛烈——。どの修飾語も陳腐に聞こえる。見た者の目と記憶に焼き付いて離れない美しい弧を描き、森下の7号決勝弾は左翼席中段で弾んだ。初回1死一塁。戸郷が投じた初球のカーブを、悠然と見逃した後の2球目。低めやや内寄りの145キロ直球をすくい上げた。4万2000超の大観衆の視線を独占し、ダイヤモンドを回った。

 「初球のカーブをいい形で見逃せていたので、ゾーンだけを意識して打った」

 7日巨人戦(東京ドーム)以来の一発は、5日同戦で戸郷を攻略した4号から数えて巨人戦4戦連発。例は多くなく、球団では99年ジョンソン以来26年ぶり、日本選手に限ると91年八木裕以来34年ぶりだ。球団最長が73年田淵幸一と82年掛布雅之の「5戦連発」だから、森下はミスタータイガース2人が刻んだ伝説に王手をかけた。

 「(巨人戦の好結果は)たまたま。巨人戦以外でも結果を残せればな、と思います」

 まさに「クラシック・シリーズ」で迎えるにふさわしい歴史的瞬間が目の前に迫っても本人は素っ気ない。ただ数字は雄弁だ。巨人戦は打率・405、4本塁打、13打点。シーズンが打率・307、7本塁打、29打点だから、新たな偉業への期待はおのずと高まる。

 虎の浮沈を背負い、好機での快打を宿命づけられた主砲は「チャンスで多く打席に立っていると、試合後の体の疲労度が全然違う」と語る。相手の配球や状況判断に思考を巡らせるため「脳の疲れが全然違う。めっちゃ疲れる…」と苦笑い。出番は待ってくれない。だから腹をくくった。「そういう星の下に生まれた、と思うことにしているんです」——。過去の鍛錬と蓄積が糧。「“これだけやった”という自信が大事。最後は根性!」。打って喜び、打てずに悔しがる。本能の赴くままに戦う森下の今季7度目の決勝打は、堂々の12球団トップだ。

 「常にアグレッシブな打者。誰もが想像しないプレーをする選手だから、心強いです」

 藤川監督からも全幅の信頼を受ける。この日の1勝は、きょうの第2ラウンドも勝ってこそ意味をなす。「あす絶対に勝って、いい形で3戦目にいきたい」。有言実行の男に率いられ、猛虎が首位快走への準備を整える。(八木 勇磨)

 【球団日本選手では91年八木以来】○…森下(神)が初回に7号2ランを放ち、巨人戦では前回対戦した5〜7日に続く4試合連続の一発。球団で巨人戦の4試合連続本塁打は99年ジョンソン以来、日本選手では91年八木裕以来34年ぶり。球団最長は73年田淵幸一と82年掛布雅之の5試合で、21日にタイ記録に挑む。なお、73年田淵は(1)(1)(3)(3)(1)と5試合で9本を量産した。

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