WRC:2022年導入ハイブリッドの単一サプライヤー決定。既存の1.6リッター直噴ターボエンジン維持も決議

2020年4月1日(水)12時48分 AUTOSPORT web

 FIAはWMSC世界モータースポーツ評議会(ワールド・モータースポーツ・カウンシル)で、WRC世界ラリー選手権の2022〜24年レギュレーションに関する決議を行い、ハイブリッドキットの単独サプライヤーとしてドイツに本社を構える『コンパクト・ダイナミクス』社を選定した。あわせてハイブリッド導入初年度となる2022年からも現在の1.6リッターの直列4気筒直噴ターボエンジン規定を継続使用することも決められた。


 ラリー競技の最高峰であるWRCでは、2022年から最高峰クラスの“ラリー1”にハイブリッドが導入されることが決まっている。そのシステムに関してはコスト削減や競争の公平性を保つため、当面の間は単一サプライヤーによる共通システムが参戦全チームに供給される。


 今回、サプライヤーに選定されたコンパクト・ダイナミクス社はドイツを拠点に30年以上に渡り高出力の電動ドライブシステムやジェネレーターなどを製作。同社の製品はF1やWEC世界耐久選手権、ABBフォーミュラE選手権などでも使用されている。


 コンパクト・ダイナミクス社が供給するハイブリッドシステムと組み合わされるエンジンについては、開発コストやランニングコスト削減の観点から現在使用されている1.6リッター直列4気筒直噴ターボエンジン規定を流用することも決議された。


 詳細なレギュレーションについては明かされていないものの、2022年からはエンジンにはより“シンプルな”ターボチャージャーが装備されるほか、年間使用基数の制限が厳しくなり、開発が制限される凍結パーツも増やされるという。


 2022年からのハイブリッドシステムに組み合わされるエンジンについては、既存の1.6リッター直4直噴ターボエンジンを維持するという案と、よりパワーの少ないR5(ラリー2)規定車に搭載されているエンジンを使用する案のふたつが出ていたが、最終的には既存のエンジン規定を維持する案が支持された。


 FIAでラリーディレクターを務めるイブ・マトンは「ラリー1は2022年のスタートに向けて勢いを増している」とWRCのハイブリッド導入プランが計画どおりに進行していることを強調する。


「数週間前に行われたWMSCでラリー1の新たなテクニカルレギュレーションが承認されたことで、2022年からのハイブリッドサプライヤーにコンパクト・ダイナミクスを選出したと発表できた。今回のサプライヤーには多くの企業が名乗りを上げてくれたことも述べておきたい」


「コンパクト・ダイナミクスがラリー1により豊かな経験をもたらすと確信している。また昨夜の決議によって、開発コストやランニングコストを削減しながらハイブリッド導入プロセスを推し進めることも可能になった」


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