高卒で「とんでもない才能」 火力不足の藤川阪神で起爆剤となるか 2軍で存在感を示す“打てる捕手”「誰よりも見たい」
2025年4月4日(金)17時0分 ココカラネクスト

2軍で強烈なアピールを示す中川(C)産経新聞社
猛虎打線の火力が足りない。
4月3日までの6試合消化時点でのチーム打率は、セ・リーグ最下位の.205。得点数も16と乏しい。あくまで開幕間もない時点でのスモールサンプルに過ぎないが、昨季の課題であった攻撃陣の低調さは、藤川球児監督が標榜する「守りの野球」を固めていく上でも、気になるところだ。
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まさに起爆剤を欲する阪神。その中で、目下、強烈なアピールを続ける若虎もいる。高卒4年目の中川勇斗だ。
21年にドラフト7位で京都国際から入団した中川はプロ4年目を迎える捕手なのだが、何よりの売りは「打力」。昨季のファームで70試合に出場、打率.321、4本塁打、28打点、OPS.920をマークした柔らかい打撃は、DeNAの主砲・牧秀悟との自主トレによってさらに磨きがかかっている。
春季キャンプでは1軍に帯同する機会もあった今季は「W正捕手」を組む梅野隆太郎と坂本誠志郎の牙城は高く、ファームスタート。それでも腐らずに己を磨く中川は、ここまで13試合に出場して、打率.333、2本塁打、OPS1.039というハイアベレージを記録。4月4日の中日戦では力強いスイングで逆方向にかっ飛ばし、右中間に特大アーチを叩き込んだ。
無論、課題がないわけではない。とりわけ守備面では経験不足が否めず、拙さを露呈することもしばしば。やはり梅野、坂本、そして今季に1軍に帯同している榮枝裕貴との差はある。
とはいえ、だ。確実性も出始めている打撃は、群雄割拠の捕手陣の中でも屈指のレベル。今オフに「出てなんぼ」とレフトやサードでも守備練習をこなす姿も見せた21歳だけに、捕手起用に絞らず、1軍で起用してもいいのではないか。
熱心な虎党たちからもXで「とんでもない才能」「誰よりも見たい捕手」「打撃が完全に開花している」と期待される中川。将来を見据えた「第3捕手の育成」は、チームを日本一に導いた岡田彰布前監督も執拗に唱えてきたポイントでもあるだけに、藤川阪神が低調な今だからこそ、チャンスを与えるのも興味深い。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]