FIA F2参戦の宮田莉朋がF1日本GPを訪問。フィードバックの仕方を重点的に確認し「より明確になった」

2025年4月9日(水)17時53分 AUTOSPORT web


 今回も国内外で活躍する多くの日本人ドライバーがパドックを訪れていた2025年F1第3戦日本GP。そのなかには、2025年シーズンもFIA F2に参戦する宮田莉朋(ARTグランプリ/TGR-DC)の姿もあった。


 今回は主にアルピーヌのホスピタリティに滞在し、フリー走行1回目(FP1)はアルピーヌのピット内で見学した宮田。今回の日本GPは予選日/土曜日までの滞在となったが、レースウィーク中にもさまざまな関係者らとコミュニケーションをかわすシーンが見られた。



 なかでも木曜日のトラックウォークから帰ってきた角田とパドック内でバッタリ会う場面があった。なお、宮田によると昨シーズンも何度かF1パドック内で彼と話す機会はあったとのこと。


「基本的にFIA F2ドライバーにはF1パドックにアクセスできるパスが与えられています。ドライバーブリーフィングもこっち(F1パドック内)でやりますし、時間があればF1パドックにも行くので、そこで裕毅と会う時もあります。だから、正直そこまで久しぶりに会ったという感じではなかったです」と、宮田。



2025年F1第3戦日本GP 角田裕毅(レッドブル)とFIA F2に参戦中の宮田莉朋

 それでも、ヨーロッパや中東のグランプリでは自身のFIA F2のレースもあるため、そこまでF1のセッションだけを細かく追いかけるのは難しい。その分、今回の日本GPでは彼なりに注目したいポイントがあったようだ。


「前回の鈴鹿(2022年F1日本GPにサッシャ・フェネストラズと来たとき)は、ドライバーとチームのやり取りというよりも、チームのメカニックやエンジニアはどういう動きをしているのかを注目していました」と宮田。


「今回はピットのなかに入らせてもらって無線を聴きながら見ていただけでしたけど、(ドライバーからの)フィードバックの仕方とか、どういうふうにビルドアップしているのかを重点的に見ました」


 すでにFIA F2を1年経験し、今年の年明けにはハースF1のTPCテスト(旧車テスト/Testing of Previous Cars)に参加し、初めてF1マシンをドライブする機会もあった。だからこそ、彼のなかで確認しておきたかった“フィードバックの仕方”の部分をクリアにできたと語る。


「無線のやり取りは英語ですけど、そのなかでもフィードバックの伝え方が、自分(の伝え方)と違うのか一緒なのか、それとも細かいのか大雑把なのか……いろいろな観点で勉強できたかなと思います」


「僕は日本のレースで育ってからヨーロッパに来ています。日本のやり方とヨーロッパのやり方は違うと思っているなかで、自分のなかであやふやになっていた部分が、今回でより明確になった感じはします。フィードバックで伝えるポイントとかは『(日本とヨーロッパはまったく別だと)割り切っていいんだな』と思いました」



2025年FIA F2第1戦メルボルン 宮田莉朋(ARTグランプリ/TGR-DC)

 今季の宮田は名門ARTグランプリに移籍し、FIA F2での“勝負の2年目”を迎えている。3月14〜16日の開幕戦メルボルンでは、レースウイークを通してマシントラブルに悩まされ、その影響でスピードを出せずスプリントレースではポイント圏外でのフィニッシュとなった。昨年も初めてのコースとタイヤの習熟に苦労していたが、鈴鹿での彼を見ると、自信を深めている表情をしていたのが印象的だった。


「今年もFIA F2に乗らせていただいて、やることは明確になっています。FIA F2はFIA F2独特の難しさはありますけど、そのなかでも良い走りをして、良いレースをして、F1に早く上がりたいという気持ちです」と宮田。


「チームもARTグランプリですし、そこ(トップ)を目指して今年は挑んでいます。何よりF1でハースのTPCテストに乗れたことで、自分のなかでいろいろと見つけられた部分がありました。それが自分のなかで(F1に対しては)目標に切り替わっています。そこは、こういう機会を作ってくださったモリゾウさん(トヨタ自動車の豊田章男会長)のおかげです。とにかく、今のFIA F2を乗り越えていく……それだけです」と力強く語り、次のFIA F2開催地であるバーレーンに向かった。



2025年F1第3戦日本GP 宮田莉朋


2025年F1第3戦日本GP 宮田莉朋と角田裕毅(レッドブル)

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