“三度目の正直”に「イノウエを目指す」と意欲 グッドマンが無念の井上尚弥戦キャンセルへの本音吐露「負けたみたいな気持ち」
2025年4月10日(木)17時0分 ココカラネクスト

井上戦の2度の負傷キャンセルからグッドマンは、再起を目指している。(C)Getty Images
世間で波紋も広げた無念の“キャンセル”から3か月。血気盛んな豪戦士が再起を遂げる。現地時間4月7日、豪スポーツ専門局『FOX Sports』は、ボクシングIBF世界スーパーバンタム級1位サム・グッドマン(豪州)が5月14日にセザール・バカ・エスピノーザ(メキシコ)との対戦が決定的となったと報じた。
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昨年7月に母国で現WBC世界同級9位チャイノイ・ウォウト(タイ)に判定勝利していたグッドマンは、同年12月24日に東京・有明アリーナで4団体統一スーパーバンタム級王者の井上尚弥(大橋)に挑戦予定だった。がしかし、日本出発直前のスパーリングで左目上を裂傷。これにより試合は土壇場で延期となった。
試合は約1か月後に同じ会場で仕切り直しとなったものの、1月11日にグッドマンが再びスパーリング中に左目上をカット。今度は手術を要する深手を負ったために、本人が「人生で一番の試合」と位置付けていたビッグマッチはキャンセルとなった。
新たに対峙するバカ・エスピノーザは、今年2月にWBC中米バンタム級王座も獲得した実力派。23年7月のスティーブン・フルトン戦を控えた井上とのスパーリングパートナーとして採用された実績もあり、約1年ぶりのリングとなるグッドマンにとってはタフな相手となる。
そんな再起のリングに立つ26歳は、「楽な相手と戦うことに意味はないし、俺のスタイルじゃない」と闘志を漲らせる。マルチメディアプロデューサーでMMAリポーターのジェイ・マカリスター氏のYouTubeチャンネルに出演したグッドマンは「今はふたたび自分を追い込んでいる」と語った。
一方でグッドマンは、自身のアクシデントによって実現できなかった井上戦について「正直言って、ここ数か月はマジでクソみたいな感じだった」と無念さを強調。試合直前とあって自己管理不足の低さは否めないが、「カットしたせいで、あの日(試合がキャンセルとなった日)は本当に最悪だった」と回想している。
「あの日は24時間ぐらい落ち込んで、男泣きもした。だから少し休むことにした。マジで俺は世界タイトルを獲るためにボクシングをやっている。あの時だって、準備は完璧に整っていた。自分を極限の地獄まで追い込んで仕上げていたんだ。
だからこそ、試合がキャンセルになった時は負けたみたいな気持ちになったね。どうも俺は海外の試合となるとツキがないんだ。前もラスベガスでの試合が流れたし、イノウエとの日本での試合もみんなで行く予定だったのが、すべてが台無しさ。本当に変なジンクスでもあるみたいだよ」
悔しさばかりを募らせるグッドマン。「ただただクソみたいな展開だった」とも唇をかみしめる若武者だが、下を向いてばかりではない。次戦に向けて「今はそっちに集中している」と強調した上で「イノウエが全てのベルト思っている。その限りは彼を目指すよ。ボクシング人生は短いから俺は常に一番厳しい挑戦を選んでいきたいんだ」と語った。
再び井上の挑戦者候補として名を挙げるために、絶対に負けられない一戦となる。そこでグッドマンはいかなるパフォーマンスを見せるかは、日本のボクシングファンにとっても興味深いものとなりそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]