「彼が避けているなんて俺は言わない」再起戦で白星のグッドマンが訴え! 母国局が伝えた井上尚弥戦への“計画”とは?
2025年5月15日(木)17時0分 ココカラネクスト

約7か月ぶりの実戦で白星を飾ったグッドマン。(C)Getty Images
苦闘の6か月を送ってきた若武者は、ダメージを負いながらも辛勝を収めた。
現地時間5月14日、ボクシングのIBF世界スーパーバンタム級1位サム・グッドマン(オーストラリア)は、豪シドニーでセサール・バカ・エスピノーザ(メキシコ)との同級ノンタイトル10回戦を実施。互いに打ち合いとなる中、3-0(99-92、99-91、100-90)の判定勝ちを収めた。
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結果は大差の判定勝ちとなったが、内容は接戦だった。8回にエスピノサの左フックを側頭部に受け、ぐらつく場面もあったグッドマンは、9回に偶然のバッティングによって右目上をカット。深手を負いながらも足を使って、食い下がるメキシカンを翻弄。何とか勝利を手にした。
昨年7月以来となる実戦に本人は燃えていた。
IBF同級1位のグッドマンは、昨年12月24日に井上尚弥(大橋)と有明アリーナでタイトルマッチを予定していた。がしかし、来日直前に母国で実施したスパーリングで左目上を裂傷。試合が1か月延期となると、再び試合直前に左目上を負傷。試合13日前の1月11日に対戦中止が発表されていた。
本人曰く「相手はあのイノウエ。彼を相手に軽々しく挑むことはできない」と意気込んだ猛練習による負傷だった。そんなメガマッチの中止から約6か月でグッドマンはようやく再起した。
一部で「井上から逃げた」と厳しい声にもさらされてきた。その中で今回のエスピノーザ戦の勝利によってIBF1位の座を保持。さらに戦績も20戦無敗とした26歳には、地元メディアも舌を巻く。
豪スポーツ専門局『FOX Sports』は「イノウエと戦うという夢をスパーリングでの度重なるカットで打ち砕かれたアルビオンの殺し屋(グッドマンの愛称)は、最後まで強さを見せ続けた」と、バッティングによるアクシデントも生じた復帰戦の内容を激賞。その上で、グッドマンの今後を展望している。
「グッドマンは、この2年間の大半をイノウエとの試合ができる指名挑戦者として過ごしてきた。しかし、イノウエは9月にウズベキスタンのムロジョン・アフマダリエフとの試合が内定し、試合をふたたび行える可能性は低くなっている。そうした中でもイノウエを追い続ける決意を固めるグッドマンは、新たにWBOの暫定王座戦に焦点を当てる可能性がある」
井上側の興味関心を引き出すために、興行を成功させられなかったグッドマンには世界ランクをキープしつつ、相当なアピールも必要になる。そのため、同局が指摘したWBO暫定王座戦は現実的なプランと言える。現時点で同タイトルに絡むのは、25戦無敗のカール・ジャメス・マーティン(フィリピン)や、元同級王者で、23年12月に井上と対戦していたマーロン・タパレス(フィリピン)といずれも実力派である。
エスピノーザ戦後に「チャンスが欲しいんだ。彼が避けているなんて俺は言わない。でも、戦いたい」と声高に叫んだ26歳の願いが、ふたたび叶う日は訪れるだろうか。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]