コースでもピットでも強すぎるポルシェ・ペンスキー。名物市街地で開幕3連勝を手繰り寄せた“ヒント”
2025年4月15日(火)11時55分 AUTOSPORT web

4月12日にカリフォルニア州のロングビーチ市街地コースで行われたIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第3戦を制したニック・タンディは、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツのさまざまな面でのパフォーマンスが、7号車ポルシェ963の開幕3連勝を支えたと賞賛した。
■勝利のカギは“ショートストップ”
タンディとフェリペ・ナッセのコンビは、『第50回アキュラ・グランプリ・オブ・ロングビーチ』でトップチェッカーを受けてGTPクラスのシーズン無敗記録を更新、ポルシェにとっては前戦セブリング12時間に続くワン・ツー・フィニッシュという圧勝劇となった。
予選ではフロントロウを独占したBMW MチームRLLは、100分間のストリートレースに向けたすべてのオントラックセッションでトップタイムを記録したものの、2台のポルシェ963の究極のレースペースには及ばなかった。
「今回も素晴らしいパフォーマンスだったね」とタンディはレースを振り返った。
「このチームが今、いかに高いレベルで戦っているかを示していると思う。幸運にも3回も頂点に立つことができたが、僕ら7号車がいなければ6号車が勝っていただろうし、そしてその逆もまた然りだ」
「常に万全の態勢で臨んでおり、僕らのガレージの両サイド(2台)は完璧に機能している」
「今日のペースは最高だった。本当に肝心なところでエネルギーを節約できたと思う」
ポルシェ7号車は、BMW Mハイブリッド V8の2台に次ぐ3位を走行した後、GTPクラスの1回目のルーティンピットを終えたところで、レースをリードすることができた。
「全車がピットインした際に僕らは(燃料補給時間を削る)ショートストップを行い、素晴らしい作業で首位を奪ったんだ」とタンディは語る。
「その後は全車が最後までエネルギーをコントロールしようと奮闘したが、フェリペはそれを見事にやり遂げた」
「最後のイエローがグリーンになった瞬間、全員がエネルギー(残量)をあまり気にせず、再び速く走ろうとレースに臨めたと思う」
「マシンにはとにかくペースがあった。練習走行でもそれを確認できていた。1周の走行(アタック)は素晴らしいとは言えなかったが、タイヤのデグラデーション(劣化)とロングランのペースには自信があった」
「その通りになったね。この調子を維持できていることを本当に誇りに思っている」
■BMWは1周の速さを重視?
ナッセは、チームがコース上だけでなくピットレーンでも力を発揮できたというタンディのコメントに同意した。
「ポルシェ・ペンスキーが過去3戦で示してきたパフォーマンスレベルは、傑出していた」とナッセ。
「ドライバーにとって、すべてがうまくまとまったのは特別な感覚だ」
「チームは速いマシンを用意してくれたし、今回もレースを通して素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。BMW勢と真に戦う唯一の方法という面では、それはピットストップであり、充分に燃料を節約して戦略を変えるだけのエネルギーが残っていた時だった」
「僕らが実行したことは、まさにそれだった。タイヤ交換をしなかったため、よりアグレッシブなアプローチとなった。そのコントロールも鍵となったし、僕らのマシンは必要な時に本当に速かったと言わざるを得ない」
ポールポジションのドリース・ファントール/フィリップ・エング組24号車BMWが3位に終わったことを受け、なぜ彼らが決勝では優勝争いに加われなかったのかと問われたナッセは、フルスティントのペースが原因だと答えた。
「練習走行では、コースへ出るたびに、彼らが1周のペースでは優位なことが見て取れた」
「FP2で僕らはロングランを行い、バランスの状況を把握しようと努めた。それが決勝に向けてマシンをどう準備すればいいのかのヒントになったと思う」
「タイヤマネジメントなど、レースパッケージのあらゆる面で、僕らが彼らに対して優位に立つことができたのは、この点があったらだと思う。僕らのマシンは非常に競争力があると感じた」
ナッセとタンディは、GTPドライバーズ選手権でチームメイトのマシュー・ジャミネ/マット・キャンベル組に123ポイントの差をつけている。BMWのファントール/エング組は3位ではあるものの、265ポイント差をつけられている状態だ。