急きょ決勝に出場した岩戸亮介。途中転倒も「チームを信じてバイクに乗った」/2023EWCル・マン24時間

2023年4月19日(水)15時45分 AUTOSPORT web

 4月15〜16日、フランスのル・マン-ブガッティ・サーキットで開催された2023FIM世界耐久選手権(EWC)第1戦ル・マン24時間耐久ロードレース。TEAM KAWASAKI WEBIKE TRICKSTAR(ランディ・ド・プニエ/渡辺一樹/岩戸亮介組)は、クリストフ・ポンソンから岩戸に急きょライダーを変更して決勝に臨み、トップから27ラップ差の9位でフィニッシュした。


 予選は4人、決勝は3人で戦わないといけないため、リザーブライダーとして起用された岩戸の出番は、当初は予選までだった。ところが、ポンソンの怪我もあり、初ル・マンの岩戸が急きょ決勝に出場することとなった。


「正直、開幕戦から決勝の出番がいきなり来るとは思っていなかったですが、チームが決断した以上は、監督などの気持ち以上の成果を残さないといけないなと思いました」と岩戸。

渡辺一樹をサポートする岩戸亮介(TEAM KAWASAKI WEBIKE TRICKSTAR)/2023EWC第1戦ル・マン24時間


 ウイーク中は率先してライダーのサポートを買って出たが、レーシングライダーとしての気持ちも切らさずに過ごしていたため、突然の代役でも務めることができた。ポンソンが転倒して怪我を負った際も「チャンスと思わないで本気で心配できた。それをチャンスと思うとここにいてはいけない」と語っており、メンタル的にも準備ができていた様子だった。


「決勝は、少し応え切れなかったかなと思っています。決勝までの走行時間が思っていた以上に少なすぎて、コースやコンディションの変化だったりは決勝で何スティントかするなかでなんとなく掴んできた部分もありましたが、ただ正直、少し足りなかったと思います」と率直に感想を語ったが、予選まで雨が続いたこともあり、慣れる間もなく決勝を走ることになってしまった難しい状況だった。

転倒を喫してピットに戻った岩戸亮介(TEAM KAWASAKI WEBIKE TRICKSTAR)/2023EWC第1戦ル・マン24時間


 そんななか、レーススタートから16時間45分頃、現地時間朝7時45分頃に岩戸がクラッシュを喫した。ピットまで戻れたが、マシンは壊れて修復に約15分かかり、レースを再開した。


「そういった思いがあるなかでのクラッシュだったので、その部分に関しては反省はしてます。根本的にバイクで起きてる問題が原因ではありましたが、少し気が緩んでしまった部分があったと思います。過去にも経験したことのある転倒の仕方なので、想像できてなかった自分に負があると思ってます」

岩戸亮介(TEAM KAWASAKI WEBIKE TRICKSTAR)/2023EWC第1戦ル・マン24時間


 岩戸の担当時間には、セーフティカーが導入されることも多かったが、6スティントを走り切りきった。終盤はド・プニエと渡辺が危なげない走りでゴールまでマシンを持ち帰り、9位という結果を残した。


「チームの皆さんにバイクを修理して頂いて、ランディ選手が修理で足りないところとかを明確に出して、さらにバイクをしっかり直して、スタート時と同様のマシンスペックに戻っていたので、チームを信じてバイクに乗ることが出来ました」


「7位か6位でチェッカー受けられたとは思いますが、実際には9位でチェッカーを受けました。新チームでそう簡単に結果が残ることはないと思いますし、スパ24時間にいい形とは言えないかもしれませんが、確認をしっかりとったうえで迎えられると思うので、結果を残してくれたチームにはすごく感謝したいです」

岩戸亮介(TEAM KAWASAKI WEBIKE TRICKSTAR)/2023EWC第1戦ル・マン24時間


 以上のようにレースを振り返った岩戸。また、レースウイークには、これまでは会っても挨拶を交わす程度で、コース上ではライバル関係だった渡辺と、たびたびチームメイトになると思わなかったと語っていた。


 そんな思いがけない状況でも、必要はコミュニケーションをしっかりとり、走りだけでなく行動でも示してきた。そのメンタルも繋がって今回の結果に繋がったのだろう。まだ初戦ではあるが、次戦もシングルフィニッシュ、そして表彰台を目指していく。第2戦スパ24時間にも岩戸はチームに帯同する。

渡辺一樹、岩戸亮介(TEAM KAWASAKI WEBIKE TRICKSTAR)/2023EWC第1戦ル・マン24時間

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