イモラで戦略ミスに泣いたフェラーリが成長に自信。失敗から学んだ成果を示す「絶好の機会」
2025年4月20日(日)7時30分 AUTOSPORT web

フェラーリは、昨季2024年のWEC世界耐久選手権イモラ・ラウンドで犯した戦略ミスを繰り返さない自信をみせている。ドライバーと首脳陣はともに、勝利を逃したフェラーリは前進を遂げたと述べた。
このイタリアのブランドは、2024年にWECが初めてイモラを訪れた際、予選でホームレースで優勝を狙う絶好の位置につけ、決勝でもにわか雨が降り出したタイミングでステイアウトを選択したことによりライバルに逆転を許すまでワン・ツー体制を築いていた。
その後トヨタが予想外の勝利を収めた一方、フェラーリは傷を癒すことになったが、後にイタリアで得た教訓がル・マン24時間レースの2連覇に繋がったと語っている。
今季2025年の開幕戦『カタール1812km』でフェラーリのワン・ツー・スリー・フィニッシュをリードし、ハイパーカー・ドライバーズランキングで首位に立つ50号車フェラーリ499Pのドライバーであるミゲル・モリーナは、イモラに戻ってくるにあたり「昨年よりもはるかに準備ができている」と述べた。
「昨年は、正しい判断を下すことができなかった部分もあったと思う。しかし、最終的にはル・マンでも同じ状況を経験した。そこで下した判断はすべて正しかった」
「イモラでの一件があって、チームとして成長できたと思う。いつも言っているように、我々はこのカテゴリーのではもっとも若いチームのひとつであり、発展途上にある。まだチャンピオンシップから学び続けているんだ」
「だから、これはゲームの一部であり、プロセスの一部だ。昨年よりもはるかに準備が整った状態でイモラに臨めると思っているよ」
AFコルセのチームマネージャーであるバティ・プレリアスコは、フェラーリが昨年の出来事から「学んだ」と述べ、チームが誤った判断を下した後に結論が出されたと指摘した。
「スポーツでも、仕事でも、人生でも、自分の過ちから学ぶものだ」と同氏は語った。
「失敗しても立ち上がり、何が間違っていたのかを理解し、前進しようと努める」
「昨年はミスを犯した。単なる偶然による判断ミスではなかった。私たちは情報を得て、分析し決断を下した。『私たち』と言ったのは、特定の人物や特定の決定を非難したくないためだ。チームとして誤った決定をした」
「予選でライバルメーカーを圧倒するマシンパフォーマンスがあり、そしてドライバーを限界まで追い込む多くのファンや観客の前でのレースだったにもかかわらず、あのような結果になってしまった」
「シーズンの残りの期間を見たとき、私たちが(昨年のイモラで)本当に良いパフォーマンスを発揮していたことが分かったことだろう。私たちは学んだ。ふたたびここに戻ってきて、ベストを尽くそうとしている」
「今シーズンのスタートは、我々の競争力の高さを示していると思う。ドライバーズランキングとマニュファクチャラーズランキングの両方でチャンピオンシップをリードしている」
「もちろん、まだ成功への道のりは長いが、これ以上ない良いスタートを切った言えるだろう」
日曜日のレースはふたたび雨が降るとの予報が出ており、フェラーリだけでなくライバルチームも一年前と同様の状況に陥る可能性がある。
それにもかかわらず、フェラーリのパフォーマンス&レギュレーションマネージャーであるマウロ・バルビエリは自信に満ちた口調で、このような天候はフェラーリにとって「失敗から学んだことを示す絶好の機会」になると説明した。
「昨年はペースは良かったが、実行力が足りなかった。適切なタイミングで適切な判断ができなかった」と語ったバルビエリ。
「まず第一に、チームがその点で成長し、適切なタイミングでより良い判断ができるようになったことを、私たち自身に示すことが最大の期待だと思う」
「2024年のレースと同様に、今年の変わりやすい天候は、昨年の失敗から学び、その失敗からチームとして成長したことを示す絶好の機会を与えてくれると考えている。そして、それが昨年よりも良い結果につながることを願っている」