一大ブレイクで169億円の価値証明 打率.361&OPS1.000超えのイ・ジョンフが示す「韓国のイチロー」の凄み
2025年4月20日(日)6時0分 ココカラネクスト

巧みなバットコントロールで類まれな対応力を見せるイ・ジョンフ。(C)Getty Images
誰が呼んだか「韓国のイチロー」——。メジャーリーグでの2年目のキャリアを過ごすイ・ジョンフ(ジャイアンツ)は、自身の“異名”にふさわしい活躍を見せている。
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まるで打ち出の小槌のようにヒットが出る。現地時間4月18日の試合終了時点で、19試合に出場し、打率.361、3本塁打、出塁率.420、OPS1.073のハイアベレージを記録。今冬に米野球殿堂入りを果たしたイチロー氏を彷彿とさせる巧打力を発揮している。
23年12月に6年1億1300万ドル(約169億5000万円)というアジア人野手最高額でジャイアンツと契約して迎えた昨季は、悔しさばかりが残った。「新人王の筆頭候補」と大きな期待を集めたが、開幕直後の5月13日のレッズ戦の守備時に左肩を脱臼。シーズン絶望の長期離脱を余儀なくされ、本領発揮に至らなかった。
逆風にも晒され、迎えた勝負の2年目。重圧をはねのけるように真価を発揮しているイ・ジョンフへの評価は急上昇している。米野球専門サイト『Fan Graphs』は「今の彼はとくに攻撃面で目覚ましい発展を見せており、どんな変化があるかは深く覗く価値がある。今、イ・ジョンフは昨年に見た姿と完全に異なっている」と強調。怪我に泣いた1年目からの成長度合いを称えた。
イ・ジョンフの飛躍に目を丸くする同メディアは、上体の柔軟性と筋力を巧みに使いこなしている今の打撃フォームをクローズアップ。細かな動作に目を向け、「スイングして、身体が開く前にボールに直進的で、上向きのバット軌道を維持できている。これを保てるなら彼は投手にとって、まさしく『悪夢』となる」と指摘した。
さらに「彼はこれまでのところアグレッシブにバットを振っており、パフォーマンスが大幅に向上。これは少し驚きでもある」と強調した同メディアは、こうも力説している。
「シーズンはまだまだ序盤戦だが、イ・ジョンフは打撃フォームの改善によって、より良い打者になったことを確信させている。無論、投手たちも彼に対する攻略法を改変するわけだが、すでにイ・ジョンフは打席でカバレッジを大きく向上させた。これからも適応力に優れた打者で成長していく可能性の方が大きい」
悔しさを糧に、スターダムをのし上がろうとしているイ・ジョンフ。果たして、彼が自身のアイドルであったイチロー氏と肩を並べる日はやってくるだろうか。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]