体操女子ロス五輪新エースに名乗り 17歳・岸里奈が有言実行の初優勝「やっとつかめた」

2025年4月20日(日)6時0分 スポーツ報知

女子個人総合決勝、ゆかで演技する岸里奈(カメラ・岡野 将大)

◆体操 全日本個人総合選手権 第3日(19日、高崎アリーナ)

 個人総合で争う大会で、女子の決勝を行い、24年パリ五輪代表の17歳、岸里奈(戸田市SC)が、2028年ロサンゼルス五輪の新エースに名乗りを上げる初優勝を飾った。安定した演技で合計108・431点をマークし、2位の杉原愛子(25)=TRyAS=に0・933点差をつけた。ロスの新星も現れ、中学2年の13歳、南埜佑芽(みなみの・ゆめ、なんばク)が3位に入り、台頭した。

 会場中の視線を集めた最後の床運動。岸が冒頭で成功させた大技、H難度の「シリバス(後方抱え込み2回宙返り2回ひねり)」は、パリ五輪を経験した昨季よりも迫力を増していた。「やっとつかめた優勝」と有言実行の初制覇だ。師事する96年アトランタ五輪代表の豊島(旧姓・菅原)リサコーチの胸に飛び込み涙で喜びに浸った。「悔しさは残るけど、トータルではいい試合だったので、すごくうれしい」とはにかんだ。

 パリ五輪では代表を辞退した宮田笙子が抜けて控え選手がいなくなった中、岸を中心に4人で奮闘。団体総合8位に導いた。今大会も予選をトップ通過し、決勝は跳馬、段違い平行棒で1位。3年後のロス五輪に向け、新エース誕生の予感を漂わせる初優勝となった。

 力強い演技をする海外選手の動画を参考に技のダイナミックさを追求。課題の表現力やリズム感を磨くためダンスにも挑戦し、進化を実感した。一方で五輪後は“燃え尽き症候群”に陥った。それだけに大会前に「優勝する」と宣言した際は周囲が驚くほどだった。

 「まだ上にいけることが分かった試合。五輪まであと3年ある。長い年月をかけて自分の理想の体操をしていきたい」。5月のNHK杯で上位2人に入れば今秋の世界代表入り。ロスへの道が始まる。(松末 守司)

 ◆岸 里奈(きし・りな) 2007年9月23日、埼玉・戸田市出身。17歳。通信制のクラーク高3年。小学生から体操を始める。23年のNHK杯2位で同年世界選手権代表入り。昨年の全日本個人総合選手権、NHK杯でともに2位。初出場だったパリ五輪は種目別床運動7位、個人総合11位で団体総合は8位。得意種目は床。149センチ。

スポーツ報知

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