鍵山優真 エースの重責担う葛藤と覚悟 五輪シーズンへ「エースは肩書き。自分がどう目標を持って進んでいくか、忘れずに」
2025年4月20日(日)11時36分 スポーツ報知
鍵山優真
フィギュアスケートの世界国別対抗戦(東京体育館)最終日から一夜明けた20日、男子の鍵山優真(オリエンタルバイオ・中京大)が取材に応じた。今季最終戦を終え、長いシーズンも一区切り。「自分の演技には、反省するところがたくさんあった。そこは来季にいかせるようにしていきたい」と、大会を総括した。
26年ミラノ・コルティナ五輪のプレシーズン。鍵山は「30点くらい」と自己評価した。今季はGPファイナル2位、全日本選手権は優勝などしたが、アジア大会(2月、中国・ハルビン)や世界選手権(3月、米ボストン)はフリーで崩れてそれぞれ銀、銅メダル。「反省する試合が多くて、基本的にはフリーで自分が納得できない演技をすることが多かった」。その中でも「SPは安定するようになってきたり、国別でも(4回転)フリップをやったり。いろいろと学ぶことが多かった」。今大会では五輪シーズンを見据え、SPに4回転フリップを入れるなど新たな挑戦もした。
2018年平昌五輪から、2大会連続でダブル表彰台の日本男子シングル。自身が銀メダルだった22年北京大会後は羽生結弦さんや宇野昌磨さんら先輩が競技会から離れ、男子エースの重責を担う。「プレッシャーから逃げるのではなく、どう向き合っていくかが大事になる」と鍵山。「坂本(花織)選手もそうですけど、羽生君だったり昌磨君もそこと向き合って、いいパフォーマンスを何回もしていると思うので。僕も今季、プレッシャーとどう向き合えばいいかをすごく学べたシーズンになった。来季はそこに対応しながら、やるべき事を忘れずにやっていきたい」と語った。
「エース」と呼ばれる立場は「マイナスには捉えていない」という。モチベーションに変えながらも、今季は「頑張らなきゃ」と囚われることもあった。鍵山は「エースというのは、あくまで肩書き。あまり意識をしすぎずに、自分がどういう目標を持って、それに対してどう進んでいくかを常に忘れずにやっていきたい」と、足元をみつめた。