菅野智之×ラッチマン ゴルフで深めた“スガッチマン”の絆 どっちが上手?菅野「Me」

2025年4月20日(日)9時0分 スポーツ報知

 東京で幕を開けた今シーズンのメジャーリーグも、大きな盛り上がりを見せている。あのシーンの裏側は? ドジャース・大谷、山本、佐々木の個性的な仲間はどんな選手がいるの? そんなメジャーの“サイドストーリー”を「My Loving Baseball」として随時、掲載する。第1回は今季からメジャーに挑戦したオリオールズ・菅野智之投手(35)とチームの正捕手アドリー・ラッチマン(27)のコミュニケーションに迫った。

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 春は入学や入社、はたまた人事異動など、新しい環境に飛び込む人が多い季節だ。巨人からFAでオリオールズに入団した菅野も、今季から新天地を求めた一人だが、新しい同僚と打ち解けることこそ成功の鍵を握る要素。そこで一役買ったのが、コミュニケーションならぬ“ゴルフケーション”だった。

 3月中旬。フロリダ州サラソタで行われた春季キャンプ中、菅野と正捕手・ラッチマンがゴルフを共にプレーした。菅野はゴルフも腕前には定評がある。地元メディアに「どっちが上手だったのか」と問われた菅野は「Me!」と英語で即答して笑った。ラッチマンにも確認すると「(彼は)めちゃくっちゃうまかった」と脱帽していた。打席ではスイッチヒッターながら、ゴルフは右打ちという正捕手は「すごく飛ばす。軽く打っているようにみえるけど、安定して飛距離が出るんだ。それにスキルもある。僕は時折いいショットを打つけど、続かないんだ」と苦笑い交じりに、背番号19の実力に舌を巻いていた。

 菅野は、12月の入団会見で、オ軍入団の決め手のひとつに、ラッチマンの存在をあげた。「世界一の捕手とバッテリーを組むのが楽しみ」。2人は1月中からオンラインで交流。コミュニケーションを図ってきた。オープン戦で最初にバッテリーを組んだ時、菅野は「今まで投げたことのない球種を、投げたことのないコースに要求されて、新鮮だった」と語ったが、試合を重ねるごとに「次、この球種のサインが出るんじゃないか」と予想出来るようになったという。呼吸が徐々に合い始めた。

 その中でプライベートで出かけたゴルフは、2人の距離をグッと近づけたに違いない。「ゴルフは性格が出る」とよく言われる。大きく飛ばして最短距離で攻めるのか、はたまた刻んでフェアウェーをキープするか。うまくいかなかった時の振る舞いは。プレーを通じてのコミュニケーションは、相手を知ることにつながり、信頼の構築も進む。和んだ雰囲気の中、普段とは違う一面に気づくことも。「クールな時間だった。言葉の壁はあるけど、彼が面白い人だと分かったし、実直でやるべきことに全力で取り組んでいる」とラッチマンが言えば、ハイド監督も「2人が、フィールドの外でも良好な関係を築いていているようで、うれしいね」と目を細める。

 菅野のメジャー初登板となった3月30日(日本時間31日)のブルージェイズ戦を含め、今季はここまですでに3試合でコンビを組み、17日(同18日)のガーディアンズ戦では「スガッチマン」バッテリーでの初勝利を挙げた。青空の下でのラウンドで強まった35歳のオールドルーキーと正捕手の絆が本領を発揮してきた。(一村 順子通信員)

 ◆アドリー・ラッチマン(Adley Rutschman)1998年2月6日、米オレゴン州生まれ。27歳。オレゴン州立大学から19年ドラフト1巡目(全体1位)でオリオールズから指名を受け入団。契約金810万ドル(当時のレートで約8億7000万円)は史上最高額。22年5月21日のレイズ戦でメジャーデビューし、昨季まで3年連続110試合以上出場を続ける。23年にはシルバースラッガー賞、オールMLBのファーストチームにも選出されたメジャー屈指の捕手。188センチ、104キロ。右投両打。

スポーツ報知

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