体操女子新エースの岸 念願の全日本選手権初V! キラリ表現力「まだ上に行ける」
2025年4月20日(日)4時45分 スポーツニッポン
◇体操 全日本個人総合選手権第3日(2025年4月19日 群馬・高崎アリーナ)
10月の世界選手権代表選考も兼ねた女子決勝が行われ、パリ五輪代表の17歳の岸里奈(戸田市SC)が合計108・431点で初優勝を飾った。日本一を決める大会で念願の金メダルを獲得し、新エース誕生を印象づけた。杉原愛子(25=TRyAS)が同107・498点で2位、前年覇者の宮田笙子(20=順大)は同104・664点で7位だった。
やっとつかんだ日本一のタイトルに、岸の目から涙がこぼれた。「ようやく手に入って凄くうれしい」。大会5勝を誇るコーチの豊島(旧姓菅原)リサさんからは、「早く優勝しないと先生の記録抜けないよ」と言われていた。23年は3位、昨年は2位。悔しさを乗り越えて優勝者に加わった17歳は、恩師と抱き合ってまた泣いた。
昨夏のパリ五輪代表。生真面目な性格だからこそ、五輪後に目標を見失って調子を落とした時期もある。それでも、コツコツ練習を重ねてきた。この日も床運動でH難度のシリバスを成功させるなど技術の高さは随一。そこで表現力を磨くために新たにダンスの練習を取り入れて底上げを図った成果が現れた。「まだまだ上に行ける。もっと頑張りたい」と岸。新たな日本のエースは、もっともっと強くなる。
≪宮田笑顔の7位≫昨年女王の宮田は予選21位から順位を上げて7位に入った。大会連覇はならなかったが、「順位を気にせずにやったおかげで凄く楽しめた。その結果、追い上げられたので次にいい形でつなげられる」と晴れやかな表情だった。昨夏のパリ五輪直前に飲酒、喫煙が発覚して出場を辞退。20歳にとって反省の日々を経て迎えた新シーズンの初戦だった。次戦となる5月のNHK杯に向けては、「より質のいい演技を見てもらえたら」と語った。