プロ初先発初勝利目指す伊原へ能見氏が金言3カ条 制球力を高く評価「甲子園のマウンドで何を表現するか」

2025年4月20日(日)5時15分 スポーツニッポン

 ◇セ・リーグ 阪神0-3広島(2025年4月19日 甲子園)

 連敗という苦しい状況の中、20日広島戦(甲子園)でプロ初先発に向かう阪神ドラフト1位・伊原陵人投手(24)に対し、本紙評論家・能見篤史氏(45)が、心強いアドバイスを送った。

 同じ社会人出身の左腕投手として現役通算104勝を挙げた能見氏は①打たれることを恐れるな②広島打線に仕事をさせないことがポイント③早めにストライクゾーンで勝負——の3点を提言。

その上で伊原の制球力を高く評価し、「甲子園のマウンドで彼が何を表現するか。楽しみにしている」と期待した。

 広島戦に連敗という苦しい状況の中で、ルーキーの伊原がプロ初先発に挑む。同じ左腕としても、阪神の先輩としても、楽しみなマウンドだ。甲子園のマウンドで「伊原陵人」という投手が、何を表現するのか。期待しながら、見ていきたいと思っている。

 まだ彼のキャリアは始まったばかり。初先発のルーキーに、完璧に抑える投球を要求することはできない。おそらく、藤川監督ら首脳陣も同じ思いに違いない。抑えることができれば、それは最高だが、打たれようとも、点を取られようとも、伊原には自分の持ち味を出すことだけに集中してほしい。結果にこだわらず、キャンプ、オープン戦、そして公式戦の中で得てきたものを、マウンドで発揮することが第一だ。

 開幕からブルペンでスタートした伊原は、6試合登板で防御率0.00、被安打2という結果を残している。ストレートとフォークは被打率.000と、まだ打たれていない。もちろん対戦数も、まだ少ない中でのデータだが、伊原の制球力は素晴らしいと見ている。コントロールを間違うことが、実に少ない。新人として、これは凄いことだ。

 広島打線は好調だ。村上、そしてデュプランティエを攻略し、連勝。余裕を持って第3戦に臨んでくる。どこからでも点を取る流れがあるし、ファウルで球数を放らせるしつこさもある。機動力もしっかり絡ませてくるから、やっかいだ。伊原には一人一人を打ち取ることに集中し、それぞれが打線の中で役割を持つ広島の打者に、仕事をさせない投球に徹すれば、先発としての仕事を果たすことにつながる。

 打者有利のカウントになると、いろんなことを仕掛けてくることも予想されるので、早めにストライクゾーンで勝負できるかもポイントだ。私も先発のときには高低だけは間違えないことに神経を使っていた。あれも、これもではなく、一つのポイントに集中してほしい。

 チームはホームゲームで目下1勝7敗1分けと苦しんでいる。広いし、風もある甲子園では、守り勝つということが基本となる。この日のように、うまくいかないときもある。だが、勝つためにはホームのメリットを生かして戦うしかない。コツコツとスコアボードの得点を動かし、試合の流れを持ってくることが必要だ。

 初先発するルーキーには、味方の援護が何よりの力になる。攻守ともに切り替えて、伊原をもり立ててほしい。(本紙評論家)

スポーツニッポン

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