「いい1週間だった」巨人・阿部監督 今季初ブルペンデーで今季初サヨナラ負けも「ここまで粘れたし、みんなの頑張りで」
2025年4月21日(月)5時0分 スポーツ報知
延長の末にサヨナラ負けし、引き上げる阿部慎之助監督(カメラ・小林 泰斗)
◆JERA セ・リーグ ヤクルト3×—2巨人=延長10回=(20日・神宮)
巨人が今季初のサヨナラ負けで同一カード3連勝を逃した。ヤクルトを相手に救援6投手でつなぐブルペンデーで延長戦に持ち込んだが、3年ぶりの1軍登板となった戸田懐生投手(24)が10回2死二、三塁から伊藤にサヨナラ打を浴び、今季このカード初黒星。日曜日は3連敗となったが、阿部慎之助監督(46)は「いい1週間だった」と、2カード連続の勝ち越しを評価した。
総力戦で勝利を追い求めた3時間53分の熱闘も、あと一歩及ばなかった。今季3度目の延長戦。2—2の10回2死二、三塁で戸田の変化球に反応した伊藤の打球が左翼フェンスに直撃すると、G党のため息とツバメ党の歓声が交錯した。今季初のサヨナラ負けで3位後退。それでも阿部監督は「何とかピッチャーやりくりしなきゃいけない日にここまで粘れたし、みんなの頑張りで。いい1週間だったよ」とナインをねぎらった。
先発予定だったグリフィンがコンディション不良のため、今季初の「ブルペンデー」を実施。来日4年目で初先発となったケラーが初回に2点を失ったが、横川らがつないだ2回から9回までは無失点。イレギュラーな状況の中で奮闘した6投手は責められない。
勝負の夏場以降を見据えた投手運用は不変だった。前日19日まで2連投していた大勢をベンチ外にし、同じく連投していた田中瑛と船迫もなるべく登板させない方向で臨んだ。「まだ120試合くらいあるし、ちょっと3連投というのは早い」とは杉内投手チーフコーチ。この日はシーズン20試合目。地に足を着け、方針を貫いた。
野手陣も守備面を含め奮闘の跡を見せたが、指揮官は「下位打線が簡単にアウトになってほしくないよね」と指摘した。スタメンには前日に続き「7番・荒巻」「8番・笹原」と若手を起用。2回1死一塁で荒巻は右前打、笹原は四球で続き得点につなげたが、同点の6回は1死一、二塁からともに凡退。アピールは物足りず、荒巻は登録抹消が決まった。
丸や坂本、キャベッジがファーム調整中。それだけに、「(チャンスは)今しかないからね。もっと頑張らないとね」と存在感を示す姿を求める。この日は前日に2ランを放った4番・岡本が4打数無安打3三振。もちろん主砲も毎日打てるわけではないだけに、そんな日こそ周囲の選手でカバーしたい。
今季2度目の同一カード3連勝はならず、日曜日3連敗となったが、今週は2カード連続勝ち越しで4勝2敗。引きずることなく22日から始まる本拠地・東京Dでの中日2連戦に向かう。(田中 哲)
◆巨人の近年のブルペンデー&オープナー
▽19年9月14日・広島戦(東京D)5●6 宮本和知コーチの発案で「ブルペンデー」を実施。先発の沢村は3回6奪三振の完全投球だったが、その後の救援7人が計6失点。試合は延長10回で競り負けた。
▽20年8月9日・中日戦(ナゴヤD)2△2 「オープナー」として先発した宮国が2回2失点。立ち上がりに不安のあった本来の先発・今村につないだ。8投手で延長10回引き分け。
▽23年5月30日・ロッテ戦(ZOZO)1●2 救援の平内が「オープナー」としてプロ初先発し、2回1失点。本来は先発の高橋が立ち上がりに苦しんでいたことから2番手で登板した。4投手で惜敗。
▽23年6月10日・ソフトバンク戦(ペイペイD)10〇6 先発投手の枚数が足りず「ブルペンデー」を実施。2年ぶりの先発となった今村は2回1/3を3失点で、計7投手を投入。