「1軍と2軍の若い選手の差がありすぎる」巨人・阿部監督、連覇へ必要不可欠若手の「危機感」のなさに警鐘
2025年4月25日(金)5時5分 スポーツ報知
阪神戦へ向け、大阪へ移動した阿部監督(カメラ・渡辺 了文)
巨人の阿部慎之助監督(46)が24日、スポーツ報知のインタビューに応じ、開幕から約1か月たった現在の心境を語った。(取材・構成=片岡優帆)
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開幕前に丸が右太もも裏の筋損傷で離脱。キャベッジも25日に1軍復帰するとはいえ、左手親指痛で10日間離脱した。坂本も含めベテラン主力に誤算が生じる中で内野手では荒巻、外野手では育成選手出身の笹原らを2軍から昇格させ、多くの若手にチャンスを与えている。
「1軍と2軍の若い選手の差がありすぎるというのは感じた。なかなか一気に突き抜ける選手がいない」
先日、寮生全員が寮の一室に集合した。荒巻と笹原が同年代の20歳前後の選手たちの前に立ち「1軍で試合に出て感じたこと」をテーマにスピーチした。1軍を目指す選手たちの刺激になればと発案した阿部監督もリモートで視聴した。
「1軍を経験してどうだったのかとか、1軍と2軍の違いだったりを話してもらった。笹原みたいに2軍で3割5、6分打っても、そう簡単じゃないんだぞとか。荒巻だったら2軍では打てても1軍ではファウルにしかならなかったとか」
丸やキャベッジ不在で外野手が大チャンスの中で、育成選手だった笹原が支配下登録され1軍昇格。本来は浅野や秋広が出てきてほしいところだ。
「入ってこなきゃダメだよね。2軍で甘えてちゃ永遠に1軍には上がってこられないよ。厳しい言い方かもしれないけど。1、2、3軍の監督でリモートで話したけど、2軍で打率1割とかだったら3軍に落としましょうって。そういう厳しさがないと、はい上がる力は養えないと思うし」
浅野も秋広も2軍では打率1割台(現状秋広は1割5分8厘、浅野は0割9分1厘まで低下)。笹原らの昇格で2人には危機感を持ってほしいとの思いもある。
「それが一番かな。危機感なさそうだもん。自分の生活は自分である程度、確立しないと生き残っていけないのがプロ野球。結果が出なかったら給料は落ちるしクビになる。それが当然の世界。そこをもうちょっとみんな自覚してほしい」
リーグ連覇にはベテランと若手の融合が不可欠。現状はチーム状況的にも積極的に若手を使っている。
「我慢しなきゃしょうがないから。若手を経験させながら勝つってすごく難しいんだけど、今はそれにチャレンジできるからね」
不振のヘルナンデスの2軍降格など柔軟に臨機応変に手を打っている。その中でも泉口、若林の1、2番が定着。投手でも開幕投手の戸郷の2軍降格を決断したが、山崎、井上、赤星、石川が奮闘するなど明るい材料も多くある。ここまで12勝9敗1分けの貯金3。
「上出来だと思うよ。どんな状況になっても自分が焦らないようにしようと思っている」
チームは成長段階。試行錯誤しながら歓喜の秋へ一つずつ階段を上っていく。