ジャッジ“幻の一発”めぐり「退場王」ヤンキース指揮官ブチ切れ→退場 左翼ポールはるか上まで飛び...
2025年4月21日(月)13時34分 スポーツニッポン
◇ア・リーグ ヤンキース4—0レイズ(2025年4月20日 タンパ)
ヤンキースのアーロン・ブーン監督が20日(日本時間21日)、敵地でのレイズ戦で判定をめぐって抗議し、退場処分を受けた。
3—0の8回、先頭のジャッジがフルカウントからの6球目を振り抜き、左翼ポールのはるか上を行く特大のフライを飛ばした。三塁審判がファウルの判定を下した後、ビデオによるリプレー検証が行われたが、結果はファウルのまま覆らなかった。フルカウントから試合が再開されると、ジャッジは7球目の外角低めスライダーを見逃し、三振に倒れた。
すると、それまでベンチで戦況を見守っていたブーン監督がグラウンドに飛び出し、真っ赤な顔で審判に抗議。退場処分が宣告された。
試合は4—0でヤンキースが勝利したが、大リーグ公式サイト「MLB.com」が試合後のブーン監督のコメントを紹介。指揮官はジャッジが放った特大ファウルについて「ホームランだ」と判定に不満。その上で「我々の思うようにはいかなかった。高く舞い上がったボールだったのは分かるが、結局リプレー検証になって決定打となるような証拠が見つからなかったんだろう。だから、判定を受け入れるしかない」とファウルという当初の判断を覆すほどの映像がなかったことから、受け入れざるを得なかったと語ったという。
レイズの本拠、トロピカーナ・フィールドが昨年、ハリケーンによる甚大な被害を受けたため、今季からヤ軍が春季キャンプを行う際の球場「ジョージ・M・スタインブレナー・フィールド」を“間借り”してホーム試合を行っており、この日も同球場で戦いが繰り広げられた。
同球場のポールの高さは30フィート(約9・1メートル)で、ヤンキースタジアムのポール90フィート(約27・4メートル)と比べるとはるかに低い。また、ジャッジの放った特大ファウルは打球速度111・7マイル(約179・8キロ)で飛距離383フィート(約116・7メートル)を計測。観客席を飛び越え、樹木に突き刺さった。
ジャッジも「フェアボールだった。マイナーリーグの球場ではポールがそれほど高くないから、こういう状況は難しい。だからリプレーがあるんだ。あらゆる角度から判断できる」と本塁打を確信していたといい、大リーグ公式サイトも「リプレーではボールはフェアだったように見え、ジャッジは今シーズン8本目のホームランとなるはずだったボールを逃した」と指摘するほど“幻の本塁打”だった。
それだけにブーン監督も怒りがおさまらなかったようだ。ブーン監督は退場処分の多さから「退場王」として知られ、その際の様々なジェスチャーもファンの間で語り草となっている。