駒沢大・佐藤圭汰、自己ベスト更新にも「まだまだ弱い」…箱根王座奪還へ気概示した金栗記念

2025年4月22日(火)11時28分 読売新聞

 新学期が始まり、陸上界はトラックシーズンに突入した。12日には熊本市で、箱根駅伝を創設した金栗四三かなくりしそうの名を冠した金栗記念選抜中長距離大会が開かれ、多くの学生が参戦した。中でも目を引いたのが、次回の箱根で頂点を狙う大学のエースだった。(編集委員 近藤雄二)

大八木弘明総監督も高評価「成長してきた」

 強い意志をみなぎらせ、男子5000メートルで存在感を示したのが、駒大のエース佐藤圭汰(4年)だった。

 「日本記録を出す」

 ペースメーカーの不調を察し、3000メートル手前で先頭へ出た。後ろには実業団の実力者が連なるが、全く気にすることなく、大きなストライドを伸ばし、グイグイと引っ張っていく。見据えるのは、大迫傑(ナイキ)の持つ13分8秒40の日本記録だけだった。

 1人また1人と振り落とし、ラスト1周もトップを切って突入。背後に残った2人を突き放そうと、ラスト200メートルで最後のスパートを放った。しかし、昨年の日本選手権2位の森凪也(ホンダ)にコーナーで首位を奪われ、ゴールは1秒22差での2番手。トラックに寝転んで、天を仰いだ。

 13分16秒29。日本記録にも、室内で作った自己記録13分9秒45にも及ばなかったが、屋外での自己記録を自ら組み立てたレースで更新する堂々の走りだった。しかし、当人は「本当はこの大会で日本記録を出して、次の大会につなげようと思っていたんですが、負けたら意味がない。まだまだ弱い」と、反省の弁を繰り返した。それでも指導に当たる大八木弘明総監督は「3000メートル手前からずっと引っ張って、最後も競り合うところまでいった。負けはしましたが、成長してきたとは本当に感じています」と、走りっぷりを高く評価した。

 昨年は1月の米ボストンでの室内競技会で5000メートルの自己記録を出しながら、その後は恥骨の故障で国内のトラックシーズンを棒に振った。それだけに佐藤は「今年はその悔しさを晴らす1年にしたい。最上級生にもなったので、次はしっかり日本記録を狙って、自分がチームにいい流れを作りたい」。世界を見据えて記録を追いつつ、箱根での王座奪還へ、チームを引っ張る覚悟を示した。

さとう・けいた 京都・洛南高出身。高校時代に1500、3000、5000メートルで高校記録を樹立。駒大入学後の2022年5月に13分22秒91のU20日本記録を作った。24年1月に5000メートル日本歴代2位、ショートトラック日本記録となる13分9秒45をマーク。箱根駅伝は24年3区2位、25年7区で1時間0分43秒の区間新。

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