オリオールズ菅野智之、今季新人で2度の7イニング投球は唯一「投げるからには長いイニングを」
2025年4月24日(木)11時52分 スポーツ報知
◆米大リーグ ナショナルズ4−3オリオールズ(23日、米ワシントンDC=ナショナルズパーク)
オリオールズの菅野智之投手が23日(日本時間24日)、敵地でのナショナルズ戦で今季3勝目を目指して先発。7回を投げ2本塁打を含む5安打3失点。2試合連続のクオリティースタート(6回以上、自責点3以内)を達成し、防御率は3・54となった。
初回、ウッドに先頭打者本塁打、ベルに4号2ランを許して3失点するも立ち直り、2回以降を無失点。渡米後最多の球数94球で7回を投げ、ストライク率60%。1奪三振、2試合連続の無四球で、空振りを4つ奪った。味方打線が7回に3—3同点に追いつき、菅野の負けが消滅。直後の8回に2番手のソトが勝ち越し点を許し、3−4で惜敗し、3連敗となった。
投げ抜いた渡米後最多94球。7回2死からヤングを右飛に打ち取り、ベンチに戻ると、チームメートから祝福のハイタッチで迎えられた。
「何とかリズム良くいけば、同点、逆転、という流れになるかなと思っていた。球数的にも多分、この回、最後だと思っていたので、力を振り絞っていきました」
初回ウッドに右翼へ先頭打者本塁打を浴び、2死一塁からベルに右翼線へ2ランを献上。19球を要した初回は、苦しい立ち上がりとなったが、そこから、見事に切り替えた。2回を7球、3回を9球で切り抜け、リズムをつかみ、スコアボードに「0」を並べた。
「あそこでズルズルいかず、ストライク先行でいけたのが、立ち直るきっかけになったと思う」。
相手先発のウィリアムズが5回で降板した後も、マウンドに立ち続けた。前回登板での7イニング登板は、オ軍では24年9月20日(対タイガース)にバーンズが投げて以来だった。その6日後に再び7イニング。今季新人で7回を投げたのは、菅野とK・ロッカー(レンジャーズ)だけ。これで今季2度7イニングを投げた唯一の新人となった。
「投げるからには長いイニングを、と思っています。だからこそ初回の失点はもったいなかったと思います。それが全てではないけど、マウンドでの姿、何とかしようとする姿勢とか、当たり前のことを当たり前に出来る選手が、いい選手だと僕は思うので。何か凄いことをやるというより、いつもやっていることをより丁寧にやることが大事だと思います」
この日は全体の33%に相当する28球を投じたスプリットが軸になった、6回に入って直球はこの日のMAX94・2マイル(152キロ)を計測。スタミナ面でも余力をみせ2試合連続で無四球でまとめあげた。だからこそ、悔やまれる初回の2被弾。今季の全11失点中8失点が初回に集中。今季6被弾目となるベルの2ランは、初めて走者を背負った被弾。それまで、5本塁打は全てソロとダメージを最小限に留めてきただけに「カーブが真ん中高めに入ってしまった」と、悔しがった。
粘投に応えて打線も奮起。7回に3−3の同点に追いつき、菅野の黒星は消滅したが、競り負けて痛恨の3連敗となった。
「みんなベストを尽くしていると思うし、自分もチームの力になれるように臨んでいる。きっかけひとつで変わると思うので、そういうものを信じてやっていければいい」と、菅野はもう前を向いていた。