オリオールズ・菅野 ジャッジ斬り!5回無失点の好投で3勝目「真っ向勝負でいきました」
2025年4月30日(水)1時30分 スポーツニッポン
◇ア・リーグ オリオールズ4—3ヤンキース(2025年4月28日 ボルティモア)
オリオールズの菅野智之投手(35)が28日(日本時間29日)、本拠地でのヤンキース戦に先発し、5回5安打無失点の好投で3勝目を挙げた。アーロン・ジャッジ外野手(33)に2安打を許しながら、第3打席で空振り三振を奪うなどメジャー自己最多となる毎回の8奪三振。ア・リーグ東地区首位を走る強力打線相手に、オールドルーキーが奮闘した。
大谷とメジャーNo・1の評価を二分するスラッガーに、自然と力が入る。5回無死一塁でジャッジを迎えた場面。菅野はカウント2—2から94マイル(約151キロ)の速球をファウルにされると、最後はスプリットを落として空を切らせた。
「スプリングトレーニングの時は四球を出してブーイングされた。ブーイングされないように、真っ向勝負でいきました」
3月のオープン戦では2四球、この日も2打席目まで連続安打を許していた。メジャーで唯一、打率4割を超える主砲に一矢を報い、試合後の表情は晴れやかだった。
速球とスプリットのコンビネーションがさえた。初回2死満塁のピンチを脱して波に乗ると、3回1死一、三塁の場面でゴールドシュミット、チザムをスプリットで連続三振。過去3戦で計15度だった空振りを17度も奪い、そのうち、スプリットが9。「ストレートを効果的に使えたので、空振りが奪えた。スプリットに行くまでの過程が良くなった」と振り返った。ブランドン・ハイド監督は「ボールを散らし緩急をつける能力は非常に印象的。現代野球では“失われた芸術”のようになっているから新鮮だ」と絶賛した。
チームは開幕投手を務めたエフリンら故障者が続出。直近の7戦中6敗で地区最下位に低迷していた中で、菅野が連敗ストッパーになった。5回にはゴールドシュミットの大飛球を中堅手・ムリンスが「ホームランキャッチ」。バックにも助けられた。カード頭での登板で自己最多の8三振を奪い「頼ってもらえるのはやっぱりうれしい。できるだけ長いイニングを投げることができればもっと信頼度が上がる」。ヤンキースまで5・5ゲーム差。苦境の中でもやることは変わらない。35歳のオールドルーキーは腕を振り続ける。(杉浦 大介通信員)