オリオールズ菅野智之、マウンドに“追い土”で制球安定…繊細感覚で修正し3勝目

2025年4月29日(火)13時20分 スポーツ報知

◆米大リーグ オリオールズ4—3ヤンキース(28日、米メリーランド州ボルティモア=オリオールパークアットカムデンヤーズ)

 オリオールズの菅野智之投手が28日(日本時間29日)、本拠地でのヤンキース戦に先発。5回を投げ、5被安打無失点で今季3勝目を挙げた。3試合ぶりの四球など2四死球ながら、渡米後最多の8奪三振で前回登板から11イニング連続無失点。4−0で迎えた5回を投げ終えて降板、防御率は3・00となった。

 菅野はメジャー1年目の4月を終了し、ここまで6試合に登板して3勝1敗。計32イニングを投げ、27安打11失点8四死球17奪三振と、先発陣を引っ張っている。チームは4−3で逃げ切り、ア・リーグ東地区首位のヤ軍との今季初対戦を白星で飾り、連敗を「3」でストップした。

 ゴールドシュミットが放った飛距離402フィートの大飛球を、中堅ムリンスがフェンス手前でジャンピング・キャッチした瞬間、マウンドの菅野はグラブを頭上に掲げて拍手。「あれが入っていたら、多分、勝ててない。それだけ、大きかったと思います」。帽子を脱いで感謝の気持ちを伝えると、本拠の盛り上がりは最高潮となった。

 ダブルヘッダー連敗の翌日に0−7の完封負け。借金が今季最多の「7」に膨らんでいた。開幕前の評判とは裏腹にシーズン早々に迎えた正念場で、背番号「19」が力投した。

 「逆に(ヤンキースは)ダブルヘッダーで2連勝してきている。何とか先制点を与えないようにと思っていました。カードの頭を取ることはすごく大事。日本の時もすごく意識していましたけど、カードの頭で負けてしまうと、次に投げるピッチャーが絶対負けられないという風になる」。今季初のヤンキース戦。カード初戦に勝利する使命も背負っていた。

 初回1死からジャッジに左前打され、3試合ぶりの四球と死球などで2死満塁とするが、ボルピをスイーパーで遊ゴロに打ち取り、ピンチをしのいだ。

 2回のマウンドに戻った菅野は、“追い土”をリクエスト。グラウンドキーパーに右足の着地部分とプレート付近を指差しながら、土入れを要求。その後、一転して投球が安定した。

 初回は50%だったストライク率は、2回は73%に。「初回にチザムに死球を当てた時、水をまきすぎているのか、ちょっとぬかるんでいて、気になっていた。乾いた砂が水分を吸ってくれたので、だいぶ違いました」と、繊細な足裏感覚で落ち着いて対応するあたりが、並の新人ではないところだ。

 悪天候で行われたオープン戦のヤ軍戦は、スパイクにこびりつく土に悩まされたが、以来、ベンチ裏には泥取り道具を常備。渡米後、1つ1つの経験から学び、迎えた今季6戦目。3回は1死一、三塁からゴールドシュミットとチザムを連続空振り三振。5回は3打席目を迎えたジャッジと対戦。カウント2−2から渾身のスプリットでバットに空を切らせ、1試合自己最多17個目の空振りで、渡米後最多の8奪三振を記録した。 「今日良かったなと思うのは、スプリットに行くまでの過程。直球をみせていかないと、いいところから落としても打者が反応してくれないので」

 最速94・4マイルを記録したキレのある直球をみせつつ、変化球を散りばめた。渡米後最多95球を投げ抜き、強力ヤ軍打線を黙らせて3勝目につなげた。

 エース候補のロドリゲスがキャンプで離脱。開幕投手のエフリンもIL入り。ベテラン・モートンは0勝6敗と総崩れの中、35歳のオールドルーキーは、実質エースの存在感をみせている。

 「頼ってもらえるのはうれしいことですし、責任もある。毎試合、僕の中では、もう1イニング投げないといけないと思っている」と、更に高いハードルを設置した。

スポーツ報知

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