菅野智之 5回無失点で3勝目の権利、自己最多毎回8K 地区首位・ヤンキース相手に持ち味の安定感披露

2025年4月29日(火)9時13分 スポーツニッポン

 ◇ア・リーグ オリオールズーヤンキース(2025年4月28日 ボルチモア)

 オリオールズの菅野智之投手(35)が、28日(日本時間29日)に本拠でのヤンキース戦に先発。5回5安打無失点、メジャーでの自己最多を更新する毎回の8三振を奪う好投で、3勝目の権利を手にした。

 立ち上がりのピンチをしのいで、リズムをつかんだ。初回1死からア・リーグ首位打者のジャッジに左前打を許し、続くベリンジャーには四球。4番・ゴールドシュミットは93.5マイル(約150.4キロ)直球で空振り三振に仕留めたが、チザムへの死球で2死満塁の局面を迎えた。走者が全ての塁を埋めたが、経験豊富な“オールドルーキー”は慌てなかった。6番・ボルピをスイーパーで遊ゴロに仕留めてピンチを脱出。確実にスコアボードの左端に「0」を刻んだ。

 2回からは持ち味の制球力を存分に発揮した。2回が始まる前に、マウンドの足場などの整備が行われると1死からドミンゲスをスプリットで空振り三振。続くぺラサをスイーパーで見逃し三振に仕留めた。3回も1死からの連打で一、三塁としたが、ゴールドシュミット、チザムを連続三振。スプリットにチザムのバットが空を切ると、こぶしを握り吠えた。3回までに6奪三振。メジャー初勝利を挙げた5日(同6日)ロイヤルズ戦の4奪三振を上回り、メジャーでの自己最多奪三振数を更新した。

 最後は味方の好守にも助けられた。4−0の5回2死、ゴールドシュミットにセンターへの大飛球を許したが、中堅手・ムリンスがフェンス際でジャンプし、見事な“ホームランキャッチ”を披露。スーパープレーに菅野は手を叩き、満面の笑みだった。直球の最速は94.4マイル(約151.9キロ)。スプリット、スイーパー、カーブ、シンカーなど多彩な変化球を効果的に配球し、走者を背負いながらも徹底して要所を締めた。

 同地区で首位を走るヤンキースを相手に全力で腕を振った。ヤ軍とは3月20日(日本時間21日)のオープン戦で対戦し、4回2/3を投げて6安打5失点。ジャッジには2つの四球を与えるなど、生命線である制球力が乱れた。しかし、同じ失敗は繰り返さない。ジャッジには2安打を許したが、5回無死一塁の場面では、スプリットで空振り三振を奪った。進化と対応力を存分に見せつけた。

 安定感への信頼度は増してきている。4月17日(同18日)のガーディアンズ戦で、7回5安打2失点でメジャー2勝目をマークすると、同23日(同24日)ナショナルズ戦でも、勝ち星こそ付かなかったが7回5安打3失点と確実に試合をつくった。ハイド監督は「自分らしくいて欲しい」と実力を認めたうえで「全ての球種の感覚がいい。日本で多くの成功を収め、ここまで成功をしている理由は打者優位のカウントでも変化球をコーナーに投げられることだ」と話している。

スポーツニッポン

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