イニングまたぎ何の!阪神・及川が2イニング無失点 石井が体調不良で抹消「みんなでカバーするしかない」
2025年5月1日(木)5時15分 スポーツニッポン
◇セ・リーグ 阪神4-5中日(2025年4月30日 バンテリンD)
6回に崩れかけた猛虎を、阪神・及川が一度は立て直した。4—4の7回に4番手で登板し、2イニングを1安打無失点。4月17日ヤクルト戦(神宮)以来、今季2度目のイニングまたぎも何のその。しなやかな左腕から繰り出される華麗な20球で、“恐竜打線”を封じ込めた。
7回は先頭・木下を二飛に斬ると、ロドリゲスは直球2球であっさり追い込み、宝刀スライダーで空振り三振。2長打の岡林も三邪飛に退けた。8回は先頭・山本の左前打から1死二塁とされるも、ボスラー、中田の両主砲を連続中飛。左翼席の歓声を一身に浴び、堂々ベンチへ戻った。
「みんなでカバーするしかない。(石井)大智さんが帰って来るまで、みんなで頑張れれば、と思います」
救援陣に激震が走った。ここまで勝ちパターンの一角として11試合に登板して8ホールドを挙げ、防御率0.75と抜群の安定感を誇る石井が、体調不良で出場選手登録を抹消された。本来ならば、木下、ロドリゲスと右打者が続く7回は石井が投げていただろう。それでも前へ進むしかない。藤川監督も「長く現役をやっていればそういうこともある。いる選手がしっかり力を発揮する必要がある」と“共助”を強調。左肩に突如のしかかった重圧を、24歳は涼しい顔ではねのけた。
「もうそこは、頑張るしかないので。何とか状態を保ちつつ、しっかりいい投球ができればなと思います」
この日のマウンドが早くも14試合目。チーム26試合の半数以上に出陣しており、12球団を見わたしてもトップの数字だ。昨季は先発・リリーフの両にらみでの調整が影響してか、持ち味を発揮し切るには至らなかった。今季は開幕から貴重なリリーバーとして、居場所を築く。ブルペン陣最年少の背番号37がいる限り、どんなピンチも、チャンスへつなげることができる。(八木 勇磨)