阪神・佐藤輝が単独2冠王!9号&24打点で巨人・岡本抜いた チーム3連敗も「4番」の勢い衰えず
2025年5月1日(木)5時15分 スポーツニッポン
◇セ・リーグ 阪神4-5中日(2025年4月30日 バンテリンD)
阪神・佐藤輝明内野手(26)が単独2冠王で、5月戦線に向かう。チームは30日の中日戦(バンテリンドーム)で延長11回の激闘の末、4—5で今季初のサヨナラ負けを喫して2位に後退。今季ワーストタイ3連敗で、開幕5カード目にして初のビジター負け越しとなった。そんな敗戦の中にあって、主砲は1—2の6回無死満塁から左前適時打を放って24打点目をマークし、巨人・岡本を上回りリーグ単独トップに躍り出た。すでに9本塁打もセ界トップに君臨。過去最高の3、4月を戦い終えた。
佐藤輝が、逆方向への華麗な一打で、単独2冠に躍り出た。
「(2安打は)いい反応ができた」
1—2の6回無死満塁。左前へ同点適時打をはじき返した。積極的に、なおかつボールに逆らわずに運んだ。初球、祖父江が投じた外角から入ってくるスライダーに反応。打球は左前ではずんだ。前日29日の同戦では4回1死で右翼席へ豪快な9号ソロを叩き込んでいた。「いいバッティングができた」と振り返ったアーチから一転。この日はコンパクトな打撃が光った。
これで終わらないのが、今年の佐藤輝だ。10回2死で迎えた第5打席でも、藤嶋の外角スプリットを拾って巧みに左前打へ。打点を挙げた6回の打席を再現したかのような当たりで、今季8度目のマルチ安打だ。
前日29日はアーチを描いたものの、「あと一本」が出なかったことを悔やんでいた。8回2死一塁でチャンスを拡大できず、遊飛。試合後に「もう1本、ランナーがいる時に出なかった。出せるように頑張ります」と誓っていた。その翌日、すぐに結果に反映させてみせた。
この日で24打点とし、試合前までトップで並んでいた巨人・岡本を上回った。3、4月を、プロ5年目でいずれもキャリアハイとなる9本塁打、24打点を挙げてフィニッシュ。チームは試合に敗れたものの、個人としては最高の形で締めくくった。
チームは今季ワーストタイ3連敗を喫し、ビジターでは開幕5カード目にして初めての負け越し。それでも「4番・佐藤輝」の状態には陰りは見えない。それどころか、さらなる上昇気配も漂わせる。
きょうからは5月戦線に突入する。昨季、チームが10勝13敗1分けと負け越した月。佐藤輝自身も打率.286、0本塁打、2打点と低迷し、5月14日の中日戦(豊橋)で敗戦に直結する失策を犯して2軍降格を味わうなど、悔しい思いをした月だ。だが今年は違う。29日には「ずっとやってきたことが少し形になりつつある」と話した。活躍を継続させる自信も技術も持ち合わせる。
「まあまあ、いいんじゃないですかね」。佐藤輝が、チームを再び上昇気流に乗せる。(松本 航亮)