阪神・佐藤輝 両リーグ最速10号 球団では06年浜中以来 逆方向へ「良いスイングができた」

2025年5月2日(金)5時15分 スポーツニッポン

 ◇セ・リーグ 阪神2-3中日(2025年5月1日 バンテリンD)

 阪神は1日、中日に2—3で敗れ、今季ワーストの4連敗。今季初の同一カード3連敗で、敵地バンテリンドームでは22年4月12〜14日以来3年ぶりの屈辱となった。苦い敗戦にあって、4番・佐藤輝明内野手(26)がまたも躍動した。1—2の5回2死から左越えにソロ本塁打を放ち、球団では06年の浜中治以来19年ぶりとなる両リーグ最速での10号に到達。田淵幸一岡田彰布に次ぐ、虎史上3人目の新人から5年連続2桁弾も達成した。

 1—2の5回2死。マウンドの三浦にあと1つアウトを取られると、プロ初勝利の権利を献上する。育成枠から晴れ舞台をつかんだ左腕の胸が高鳴る半面、左打席へと向かう佐藤輝は、冷静そのものだった。4月29日、カード初戦の第2打席。涌井から内寄り高めを右翼席へ叩き込んで以降、この日の第2打席までの9打席で8打席の結果球が外寄り。一発で試合が振り出しに戻る場面で、豪快弾の残像が色濃く残る木下は、安直に内角を要求しないと踏んだ。

 「良いスイングができたと思う。コースに逆らわず、自分のスイングで振り抜くことができたと思う」

 初球から3球連続でスライダーを投じられ、カウントは2—1となった。4球目、スライダーよりもボール1個分低い142キロ直球を粉砕。芯で捉えた白球は、高さ4・8メートルの左翼フェンスを悠々越えていった。ベンチに活況を呼ぶ一振りで、両リーグ最速となる10号本塁打へ到達。2006年の浜中治、90年の岡田彰布ら、猛虎には過去4人の「両リーグ最速10号」の達成者がいる中で、左打者は初めて。背番号8が、尾張の地で新たな歴史の扉を開いてみせた。

 「(最速10号は)良かったんじゃないですかね。まだ先は長いので、頑張ります」

 9回にも不屈の一打を放った。2死無走者から森下が四球を選んだ第5打席で、剛腕マルテから中前打。代走・植田を三進させ、大山の一撃に逆転を懸けるシーンまで演出した。あと一歩及ばず、今季初の同一カード3連敗。4月27日の巨人戦から4連敗となり、貯金も「2」まで減った。だが、2日からのヤクルト3連戦は甲子園に戻って戦う。藤川監督も「自分のパフォーマンスを継続して出そうとすることで(練習と結果の)かみ合いは必ず出てくる」と語るように、4番も自身のバットで連敗脱出へと導くつもりだ。

 世間は本格的なゴールデンウイークへと突入。2〜4日は毎年恒例の「こどもまつり」が開催され、多くの野球少年・少女がスタンドを埋める。聖地の空に黄金の放物線を架け、笑顔と希望の花を咲かせる。(八木 勇磨)

 【球団左打者では初】

○…佐藤輝(神)が両リーグ10号一番乗り。阪神では06年の浜中治以来、19年ぶり5人目(7度目)で左打者では初めてだ。過去4人で最終的に本塁打王を獲得した選手はいないが、佐藤輝はどうか。

 ○…阪神で新人から5年連続2桁本塁打は、69〜78年田淵幸一の10年、80〜91年岡田彰布の12年に次いで3人目。

スポーツニッポン

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