巨人・吉川が決めた!!今季最長試合の幕切れは99年ゴジラ以来のサヨナラ三塁打「全員で戦った結果」
2025年5月2日(金)5時30分 スポーツニッポン
◇セ・リーグ 巨人4—3広島(2025年5月1日 東京D)
激闘に終止符を打った巨人・吉川は時計を見て苦笑いした。ベンチ裏に現れると「もう(午後)11時…」。試合時間は今季両リーグ最長の4時間39分。それでも、ヒーローは充実した表情で言った。
「チーム全員で戦った結果。誰一人諦めずに、ベンチのみんなで頑張ったので、こういう一打が打てて良かった」
野手全16人出場の総力戦だった。延長12回2死からキャベッジが三塁後方に落とす安打で出塁。続く吉川が右翼線を破り、球団では99年5月の松井秀喜以来、26年ぶり3度目となる珍しいサヨナラ三塁打で勝負を決めた。投手陣も8人のリレーでつなぎ、今季初の4連勝で同最多の貯金5に「全員で勝った価値ある一勝」と阿部監督は目尻を下げた。
通算6度目のサヨナラ打にも「たまたま」と振り返るが、開幕から全試合で「3番・二塁」に座る。「後ろの“岡本さん”につなげば何とかしてくれる。状況に応じた打撃ができれば」と2学年下の主砲・岡本へつなぐ3番打者は、打率・319、36安打はともにリーグトップ。球界屈指の二塁守備だけでなく、バットでも欠かせない存在に成長した。
口下手を自覚し、自身を「インドア」と表現する背番号2も、30歳となり、スタメンも後輩ばかりとなった。遠征中はほとんど外食に行かないというが、今春のキャンプでは門脇と佐々木や、泉口を誘い食事に出かけ親睦を深めた。グラウンドでも後輩に積極的に声掛け。チームを引っ張る立場として「頑張ってやって行ければ」。指揮官も「周りも凄く見えるようになってきた」と信頼を寄せる。
ファンクラブ会員限定に「吉川尚輝Tシャツ」が配布された日に、勝利に導いた。「一試合一試合良い準備ができるように」。リーグ連覇へ欠かせない新たなリーダーは、冷静に先を見据えた。(小野寺 大)