中日・高橋宏斗、復調への鍵は「再現性」 縦振りのボールを続けて再び無双状態へ

2025年5月3日(土)12時0分 ココカラネクスト

高橋宏の状態はまだまだ本調子ではないようだ(C)産経新聞社

 中日の若きエース・高橋宏斗が苦しいシーズンを送っている。開幕から6試合に先発して2勝3敗。防御率4.19は本来の出来とは程遠く、復調の時を待つファンは多い。

 本稿では、高橋宏が苦しんでいる原因と復調へのポイントを綴ってみたいと思う。

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■昨年8月以降は一進一退

 高橋宏は一昨年のWBC日本代表として知られ、昨季は球団記録を70年ぶりに更新する防御率1.38をマーク。一躍中日のエースにのし上がった。特に昨年7月の快投は語り草となっており、4試合32イニングを失点ゼロ。39個の三振を奪い、文句なしの月間MVPに輝いた。

 ただ、実は8月以降は一進一退が続いていた。

 その要因で挙げられていたのは「腕の振りが横振りになる」こと。高橋宏の調子が良い時は上から縦に腕を振れており、150キロを優に超える速球と140キロ台の高速スプリットが見分けがつかない状態だった。これが横振りになった場合、速球がシュート成分多めの軌道になり、スプリットの落ちもいささか鈍くなるのだ。

 これは仮説でしかないが、コンディションが芳しくない時や疲れが出ている時に横振りになっていると思われ、昨季の終盤にそうなったのは少し理解できる。3年連続で100イニング以上投げているとはいえ、キャリアハイは規定投球回(143回)をギリギリ越えるぐらいなのだから。体力的な部分がまだ発展途上と推察される。

■今季はほとんどの試合で「横振り」

 翻って今季に関しては、コンディションが上がらないうちに負けが先行した印象だ。

 自身初の開幕投手を務めたDeNA戦(3月28日)は6回途中5失点で敗戦。次のヤクルト戦(4月4日)では8回1失点(自責0)に抑えるも勝ち負けつかず。11日の阪神戦は4回5失点KO。19日のDeNA戦でようやく初勝利を挙げるも、中5日で投げたヤクルト戦(25日)は4回途中4失点で降板。4月終了時点でわずか1勝は誤算である。

 実際、開幕時からほとんどの試合で腕の横振りが指摘されていた。特に三振を取れていないのが顕著で、4月終了時点での奪三振率は5.93。昨季まで8.00以上を記録していただけに、本調子ではないことが伺える。

■今季2勝目で見えた光

 敵地・マツダスタジアムで投げた、5月2日の広島戦は7回2失点にまとめて2勝目。この日も時折横振りになって失点を喫する場面も見られたが、少しずつ絶好調時の投球を取り戻しているように感じた。

 一つの例が、4回のサンドロ・ファビアンへの投球。1ボールから真ん中近辺の速球で空振りを2つ奪い、最後はボールゾーンへ落ちるスプリットで三振に抑えた。この時は昨季の“無双”状態に遜色ないボールだった。他にも速球で三振を奪ったり、スプリットで内野ゴロを打たせる場面が散見され、野手陣の好守備に助けられながらも先発としての役割を果たした。

 今後、復調をしていく上でポイントになるのは「再現性」か。こうすれば良いボールが行く、抑える確率が上がるというのが分かっているだけに、いかにして再現性を高められるかだ。

 次回はおそらく9日の阪神戦に先発する。4月に打ち込まれた甲子園で快投、そして今季初の連勝ができれば、復調への道のりはかなり進む。

[文:尾張はじめ]

ココカラネクスト

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