尚弥 大記録更新よりも「KOで終わらせないといけない試合」 “新聖地”のリングチェック予定はなし
2025年5月3日(土)8時34分 スポーツニッポン
◇プロボクシング 世界4団体スーパーバンタム級タイトルマッチ 統一王者 井上尚弥(大橋)<12回戦>WBA同級1位 ラモン・カルデナス(米国)(2025年5月4日 米ネバダ州ラスベガス T−モバイル・アリーナ)
世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(32=大橋)が2日(日本時間3日)、MGMグランド内での試合前公式会見に対戦相手のWBA同級1位ラモン・カルデナス(29=米国)らと出席した。
約300人の関係者が詰めかけた会場。井上はファンからの期待を受け止めるように、柔らかな表情のまま2日後に迫った決戦への思いを語った。司会者から3度目のベガス戦への心境を問われると「前回(21年6月)、前々回(20年10月)はコロナ下での試合だったので、今回T—モバイル・アリーナで試合できることがまず一番の違い。米国でこれだけの大きな会場で試合できるというモチベーション」と期待感を口にした。
異国で行う調整面も順調だ。「過去の2回の教訓がある。今回凄くよく仕上がっている」。試合の時間帯に近づけるため、練習時間を遅めに設定するなど時差対策も万全で、減量も「全く問題ない」と強調する。また先月23日にラスベガス入りして以降、“新聖地”T—モバイル・アリーナの外観を見たのみで「リングチェックする予定もない」と言う。過去5、6年行ってこなかった試合前ルーティンを今回も崩す予定はない。「東京ドームも一回経験している。そういったところで不足はない」。昨年5月に34年ぶりの東京ドーム興行で4万超のファンを沸かせたからこそ、大舞台でも平常心を貫く。
この日、対面したカルデナスとは約17秒フェースオフを展開。「凄い落ち着いてこの試合に挑んでいることは感じた。それと同様な自信を持って挑んでくる」。1月の前戦では金芸俊(韓国)から挑発ポーズを見せられた直後に4回KOでリングに沈めた。「ちょっとイラっとしたが、瞬時に倒してやろうと思った」と振り返ると、カルデナスには「挑発はしないように」とくぎを刺すことも忘れなかった。
次戦でKO勝利となれば勝利で1930〜40年代に活躍した元世界ヘビー級王者ジョー・ルイス(米国)が持つ世界戦最多KO勝利数「23」に塗り替える世界戦KO勝利となる。77年ぶりの更新がかかる一戦にも「記録にこだわってKOするわけではなく、KOで終わらせないと自分の中ではいけない試合」と自らに課す。
試合展開に関しては「しっかりボクシングをして中盤KOというのが一番良い形、試合の終わらせ方。まず日本で見せているパフォーマンスを見せて米国のファンの皆さんにしっかりボクシングをお届けしたい」。ラスベガスのメインを張る準備はすでに整っている。
試合はプライム・ビデオで独占ライブ配信される。