阪神・佐藤輝が先制の決勝打 今季甲子園初の大山&森下との打点そろい踏みで不敗神話継続の17連勝
2025年5月3日(土)5時15分 スポーツニッポン
◇セ・リーグ 阪神4—0ヤクルト(2025年5月2日 甲子園)
野球好きの少年少女に最高の笑顔をもたらしたのは、阪神4番・佐藤輝のバットだった。0—0の6回1死一、二塁で迎えた3打席目。カウント1—1からの3球目だ。先発・吉村が投じた外角低めのフォークをコンパクトにはじき返した。
「つないでもらったので、しっかりものにしようという気持ちで入りました。抜けたなと思った。いい反応ができた」
鋭い打球は中堅へ抜ける待望の先制打となった。この打席、相手バッテリーは初球から3球連続でフォーク。2球目の軌道を完全にインプットした上で、決勝打につなげた。今季自己最長タイの4試合連続打点。この一打が続く大山の適時打、7回の森下のダメ押し打も誘発した。この3人の打点そろい踏みは今季甲子園では初で、23年9月8日広島戦から18戦負けなし。引き分けを挟み17連勝と不敗神話は生きている。
「球場で、こんなにたくさんの声援をもらっている。力になっています」
世間はゴールデンウイークが中盤に突入した。甲子園では毎年恒例の「ゴールデンウィーク こどもまつり」が開催。試合前のシートノックを終えると、一塁側のベンチで自身と同じ太陽光や照明の反射を抑え、視界を保護する「アイブラック」を目の下に貼っていた少年とキャッチボールを行う一幕もあった。「(子供たちにも)しっかりいいところ見せられた」。試合前、そして試合でも夢と希望を与えた。
頼れる4番の躍動でチームの“連休”は4でストップ。打点はリーグ2位の巨人・岡本に2打点差をつける26打点でトップだ。試合後のヒーローインタビューでは「粘り強い野球を続けて勝ちを積み上げていきたいと思います。応援よろしくお願いします」と宣言した。貯金量産ウイークの幕開け。打席に入れば大きな期待を抱かせてくれる「さとうて」が引き続き猛虎打線をけん引する。 (石崎 祥平)