広島・斉藤 零封1軍デビュー「楽しむような感じで投げられた」 新井監督も称賛「良い真っすぐだった」

2025年5月3日(土)5時45分 スポーツニッポン

 ◇セ・リーグ 広島2—4中日(2025年5月2日 マツダ)

 広島の22年ドラフト1位・斉藤優汰投手(20)が、中日戦で堂々の1軍デビューを果たした。2—4の9回、4番手でプロ初登板。最速150キロの力強い直球を軸に、1回無失点に抑えた。この日に出場選手登録されたばかりの右腕が、本拠地で即起用され期待に応えた。チームは22年7〜8月以来、3年ぶりの7連敗を喫して借金2。トンネルを抜け出すことはできなかったが、若ゴイが今後の戦いへ光明をもたらした。

 高卒3年目の斉藤が、大きな一歩を踏み出した。2—4の9回、真っ赤に染まったスタンドの大歓声を背に、本拠地のマウンドへ。躍動感あふれる投球で1回無失点と堂々の1軍デビューを飾った。

 「自分的には良い感じで投げることができた。気持ち的にも楽しむような感じで投げられた」

 先頭の上林への初球。右前打されたが、この日の最速150キロを計測した。続くボスラーに対しては直球で押し込むと、2—2からフォークで空振り三振。ワンバウンドして手前にはじいたボールを捕手・坂倉が見失ったことで、暴投による振り逃げとなって無死一、二塁と、思わぬ形でピンチが拡大した。

 それでも、落ち着いていた。カリステは低め148キロ直球で遊ゴロ併殺。なおも2死三塁の場面で、駿太を150キロ直球で空振り三振に仕留めた。「真っすぐ主体の投手なので、自分の良さを出していこうと思っていた。もっと良い球を投げたいですし向上心は忘れずやっていきたい」。待ち焦がれた舞台で躍動。7連敗となった夜に、20歳右腕が光をともした。

 1軍昇格の知らせは急だった。前日の深夜にマネジャーから連絡が入った。「びっくりしたのとうれしかった」。女手一つで育ててくれた母・明美さんに一番に報告しようと連絡したものの、「もう寝ていた」そうで、この日の朝に改めて報告。「良かったね」と温かい言葉で送り出してもらった。

 昨季までの2年間は2軍でも先発を担ってきたが、今季はウエスタン・リーグ12試合の登板が全て救援。活路を開こうと、救援転向で新たなスタートを切り、心構えも「全力で最初から入れるように。1回を集中して投げきることを意識してやってきた」と変えた。それが奏功。2軍戦で防御率1・26とアピールにつながった。

 この日のデビュー戦は、楽しむ余裕を見せるなど、度胸も満点。新井監督からは「良い真っすぐを投げていたね。空振りも取れていたし。良い球を投げていた」と称えられた。

 「1軍デビューできたのでここから良い結果を残せるように」と斉藤。気持ちを引き締め、早くも次戦を見据えた。(長谷川 凡記)

 ◇斉藤 優汰(さいとう・ゆうた)2004年(平16)5月27日生まれ、北海道岩見沢市出身の20歳。苫小牧中央では1年秋からベンチ入りし、3年夏は南北海道大会4強で甲子園出場なし。22年ドラフト1位で広島入団。昨季まで1軍登板なし。今季は3月14日にウエスタン・リーグの阪神戦で初勝利を挙げるなど2軍で12試合に登板して1勝0敗、防御率1.26。1メートル89、96キロ。右投げ左打ち。

スポーツニッポン

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