ドジャース・由伸 「5.2」野茂デビュー日に4勝目 6回6K零封で防御率両リーグトップ0・90

写真を拡大

　◇ナ・リーグ　ドジャース2−1ブレーブス（2025年5月2日　アトランタ）

　ドジャース・山本由伸投手（26）が2日（日本時間3日）、ブレーブス戦で6回2死まで無安打投球など、6回1安打無失点の快投。両リーグトップの防御率を0・90とし、4勝目を挙げた。30年前の95年5月2日は野茂英雄がド軍でメジャーデビューした日。ド軍日本投手では野茂以来2人目となる3、4月の月間MVPナ・リーグ投手部門の初受賞も決まった。

　同じグレーのビジターユニホームだった。パイオニア・野茂のメジャーデビューからちょうど30年。山本が6回1安打無失点で4勝目を挙げ、今季2度目の6連勝に導いた。

　「いい感覚で投げられている。（日本時代に）より近いかなとは思う」

　大リーグで2度のノーヒットノーランを達成し「ノモマニア」と呼ばれるファンも生んだ「トルネード」を思わせる快投だった。最速96・4マイル（約155キロ）の直球にスプリット、カーブを織り交ぜ6回2死まで無安打投球。ライリーに右中間二塁打されたが、続くオズナを三ゴロに斬った。5回1安打7奪三振だった野茂のデビューと重なる1安打6奪三振。2回は106・4マイル（約171キロ）の弾丸ライナーを好捕し、敵地を沸かせた。

　試合前には3、4月の月間MVP初受賞の吉報。事前には知らされずネット情報で知り「そういう感じかと思った」としつつ「凄くうれしく思う」と笑った。4度の移動日翌日登板を含む6試合で3勝2敗、両リーグトップの防御率1・06。日本投手5人目の勲章は、ド軍投手では95年6月、96年9月の野茂以来だった。

　防御率0・90は両リーグ唯一の0点台だ。6回に貴重な2点目の5号ソロを放ったベッツが「俺たちにはヨシがいる。見事な投球」と言えば、コンビを組んだスミスも「世界最高の投手のような投球」と絶賛。“ヨシマニア”の同僚スネルもSNSで「君はエグい！」としチームの信頼感は増すばかりだ。

　91球での降板。次回は今季初の中5日で8日（日本時間9日）のダイヤモンドバックス戦を託す意向を明かしたデーブ・ロバーツ監督は言った。「ノーヒッター級の内容。エースとしての地位を確立しつつある」。野茂も届かなかった日本投手初のサイ・ヤング賞に、エースとして挑戦する。（笹田幸嗣通信員）

　▽野茂英雄の95年のメジャーデビュー　ストライキの影響で開幕が約1カ月遅れ、5月2日に敵地でのジャイアンツ戦で初登板。日本人大リーガー第1号の「マッシー」村上雅則の最後の登板以来1万805日ぶりの登板で、勝敗付かずも5回91球を投げ1安打無失点で7奪三振。「大リーグで投げられたこと、全力投球できたことに喜びを感じています。満足です」。最終的に13勝、リーグ最多の236奪三振で新人王。「トルネード旋風」を巻き起こし、熱狂的ファンは「ノモマニア」と呼ばれた。