大の里 綱獲りへ不安「上半身と下半身がバラバラ」体調不良で稽古不足
2025年5月3日(土)4時45分 スポーツニッポン
大相撲夏場所(11日初日、東京・両国国技館)を前にした横綱審議委員会の稽古総見が2日、国技館の本土俵で一般公開で行われた。初の綱獲りに挑む大関・大の里(24=二所ノ関部屋)は横綱・豊昇龍(25=立浪部屋)や大関・琴桜(27=佐渡ケ嶽部屋)らとの申し合いで6勝10敗。体調不良もあり6日ぶりの相撲だったが、稽古不足は否めず横綱に1勝8敗と不安を残した。
正面席のテーブルに陣取る横審委員の視線がぎらりと光る中、大の里のアピールは不発に終わった。6日ぶりの実戦稽古は16番取って6勝10敗。豊昇龍には1勝8敗といいようにやられた。夏場所の主役は「あまり良くなかった。初日まで最善を尽くして頑張りたい」と渋い顔だ。
この日は土俵脇ですり足や腰下ろしを入念に行ったが、体調不良による稽古不足の影響は隠せず。右は差しても、そこから迫力十分の攻めが影を潜めた。相手の揺さぶりにあっさりと崩れ、たぐられて背後につかれるなど、らしくない相撲も散見され「上半身と下半身がバラバラだった」と唇をかんだ。
それでも現状で出し切れることはやった。下半身に安定感がなく詰めは甘くなったものの、右差しから走る攻めは随所に見られ「ぶっつけに近い形だったが、思った以上に体が動いていたのもあった」。「(夏場所まで)あと1週間あって良かった。ここから何をするかが鍵になる。出遅れているのでしっかり頑張っていきたい」と前を向いた。八角理事長(元横綱・北勝海)も「稽古場より本場所に行くと力を出すタイプ。今日はアピールに欠けたが、前半戦から一番一番、いい相撲を取っていけばいい」と奮起を促した。(黒田 健司郎)
≪豊昇龍 2大関を圧倒≫豊昇龍は大の里に8勝1敗、琴桜には7勝3敗と両大関を圧倒した。精力的に22番取り「いい感じに体が動いている。調子は悪くない」と満足顔。横審の大島理森委員長(元衆院議長)も「体にハリがある。横綱としての強さを示した」と称えた。先場所はケガもあって新横綱としては39年ぶりの途中休場。「情けない姿を見せたので、今場所こそはしっかりやっていきたい」と強い決意をにじませた。