視界から消える変化にMLB通算280発男も呆然 佐々木朗希のフォークを“魔球化”させる「ギャップ」のえげつなさ

2025年5月5日(月)17時0分 ココカラネクスト

伝家の宝刀に磨きがかかっている佐々木。(C)Getty Images

 決して楽ではないマウンドで、欲しかった1勝を掴んだ。

 現地時間5月3日、ドジャースの佐々木朗希は、敵地でのブレーブス戦に先発登板。5回を投げ、被安打6、3四死球、4奪三振、3失点。今季自己最多となる98球を投じながら、嬉しいメジャー初勝利を手にした。

【動画】落差1mの魔球に強打者も呆然 佐々木朗希の奪三振シーン

 雷雨のため、試合が3時間以上も遅れてスタートする異例の状況で佐々木は粘投した。

 味方打線が1点を先制した直後の2回に1死一塁から適時三塁打を打たれて同点に追いつかれた佐々木は、ドジャースが7-1とリードして迎えた4回にもソロ本塁打と連打で2点を失った。決して楽なマウンドではなかったが、フォークと4シームを効果的に織り交ぜてなんとかブレーブス打線を抑えた。

 5回を投げ切った時点で日付は変わっていた。そんな真夜中のマウンドで佐々木の軸となったのは、「伝家の宝刀」と言えるフォークだ。とりわけ現地識者からもクローズアップされたのは、3回に強打者のマルセル・オズーナから三振を奪った一球だ。

 カウント2-2から真ん中低めに落としたボールを、MLB通算280本塁打のオズーナも手が出ず。グッと見送ることしかできなかった。“ピッチング・ニンジャ”の愛称で知られる投球分析家のロブ・フリードマン氏が自身のXで「えげつない」と評したボールは、84.2マイル(約135.5キロ)のスピードで、なんと39インチ(約1メートル)も落ちた。

 興味深いのは、その一球の質だ。スロー映像で縫い目も認識できたボールの回転数は、わずか496回転。2球前に内角高めに投じられた95マイル(約152.8キロ)の4シームのそれが2108回転であったことを考えれば、そのギャップはオズーナにとって「視界から消える」という感覚ではないだろうか。咄嗟に手が出なくなるのも必然と言えよう。

 実際、今季の佐々木にとって、この“魔球”が軸となっているのは、数字が如実に物語る。メジャーリーグのありとあらゆるデータをまとめる専門サイト『Baseball Savant』で記録されたフォークの空振り率は39.3%。これは佐々木の持ち球の中で最も高く、4シームの11%を大きく上回っている。

 逆に言えば、メジャーの強打者たちが圧倒されるフォークをどう生かすかは生命線となる。初勝利を手にしたここから佐々木が自身の投球術にどう磨きをかけていくかは実に興味深い。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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