井上尚弥 世界戦最多23KOを生む高い精度の強打 パワーパンチ49.1%、6回は驚異の63.5%

2025年5月5日(月)15時13分 スポーツニッポン

 ◇プロボクシング 世界4団体スーパーバンタム級タイトルマッチ 統一王者井上尚弥(大橋)<12回戦>WBA同級1位ラモン・カルデナス(米国)(2025年5月4日 米ネバダ州ラスベガス T−モバイル・アリーナ)

 世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(32=大橋)が21年6月以来、4年ぶり3度目のラスベガス凱旋を逆転KO勝利で飾った。挑戦者のWBA同級1位ラモン・カルデナス(29=メキシコ)を8回45秒TKOで破り、プロデビューから30連勝で4団体王座4度目の防衛に成功した。

 2回にカルデナスの右クロスを浴びて鼻血を出し、ラウンド終盤にはカウンターの左フックをもらって昨年5月のルイス・ネリ(メキシコ)戦以来2度目のダウンを喫した。しかし、ワンツー主体に反撃すると4回以降は左フックやボディーを交えて攻勢。7回、右ストレートでダウンを奪うと、8回に猛攻を仕掛けてレフェリーストップを呼び込んだ。

 試合におけるパンチ数の独自データを公表している「COMPUBOX」によると、カルデナス戦の井上のパンチは462発で、うち176発が体に当たっており、ヒット率は38.1パーセント。カルデナスは290発中80発で27.6パーセントだった。井上はダウンした2回までヒット率が20パーセント台だったが、3回から32.1パーセント、36.3パーセント、37.7パーセントと上昇し、6回には53.3パーセント(90発中48発)を記録。特にジャブを除いたパワーパンチが52発中33発当たり、ヒット率は驚異の63.5パーセントに達した。試合を通してもパワーパンチのヒット率は49.1パーセントで、高い精度の強打が世界戦歴代最多の通算23KO勝利を生んだと言える。

 米スポーティングニューズは「ボクシング史上最大級の週末が期待外れに終わっていたあと、ファンを興奮させるのは井上尚弥にかかっていた」「21年以来の米国で期待を裏切らなかった」と報道。スリリングな逆転KOを演じた井上が、ニューヨークやサウジアラビアでは期待外れに終わった3日間の大規模興行を救ったと指摘した。また、AP通信も「試合中ずっと正確さとパワーでカルデナスを切り刻んだ」と伝えながらも、9月に予定しているWBAスーパーバンタム級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)戦が「これまでで最も厳しい挑戦となる可能性がある」と指摘した。

 

スポーツニッポン

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