終盤3ラウンドでパワーパンチ命中率55%…データが示す井上尚弥の圧倒ぶりに米注目「カルデナスにとって強すぎた」「記憶に残るパフォーマンス」
2025年5月6日(火)5時40分 ココカラネクスト

一度はダウンを奪われたものの、3ラウンドからしっかり盛り返した井上が防衛に成功した(C)Getty Images
やはりモンスターは強い。
現地時間5月4日(日本時間5日)、プロボクシング世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)は、米ラスベガス・T-モバイルアリーナでWBA同級1位ラモン・カルデナス(米国)との防衛戦に臨み、8回45秒TKO勝ち。約1年ぶり、2度目のダウンから見事な巻き返しに成功し、これでプロ戦績は、通算30戦30勝(27KO)だ。
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2回終盤にカウンターの左フックを被弾し、昨年のルイス・ネリ(メキシコ)戦以来となるダウンを喫した井上。しかしその後、落ち着きを取り戻したモンスターは、徐々に試合の主導権を握り返していく。7回には、ラッシュの展開から右ショートでダウンを奪取。8回に防戦一方の相手を攻め立てると、ここでレフェリーストップがかかった。
米データ分析会社『CompuBox』によると、井上が繰り出したパンチ462発のうち相手に当たっているのは、176発(38.1%)だ。3回まで45発中15発(33.3%)にとどまっていたパワーパンチは、終盤3ラウンドで117発64発(54.7%)と手数、精度ともに上昇。試合全体では、220発中108発(49.1%)のパワーパンチが命中しているという。
試合後、これらの統計を引用した上で、米スポーツ専門局『ESPN』のアンドレアス・ヘイル記者は、「記憶に残るパフォーマンスで悲惨な結果を回避した」と井上の挽回劇を称賛。「カルデナスにとって強すぎる相手だ。7回終盤に右の3連打でダウンを奪うと、8回序盤も襲いかかり、スリリングな結末へと導いた」と内容を振り返っている。
一方でカルデナスは、試合全体でパンチが290発中80発(27.6%)、パワーパンチが132発中45発(34.1%)。大健闘の挑戦者だが、やはりモンスターの壁が高すぎたようだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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