西武・与座 天国の相棒が背負った15で先発初勝利 熱い気持ちが乗り移る6回零封「覚悟を持たないと」
2025年5月10日(土)5時30分 スポーツニッポン
◇パ・リーグ 西武1−0ロッテ(2025年5月9日 県営大宮)
西武の与座海人投手(29)が9日、ロッテ戦に先発し、6回4安打無失点の力投で今季1勝目を挙げた。チームを2連勝に導き、貯金2を積み上げた。沖縄出身のサブマリンは、昨季から背番号を「15」に変更し、15番では先発初勝利となった。また、育成出身のモンテル外野手(25)がプロ初安打、9回を締めた平良海馬投手(25)が8セーブ目と、沖縄出身の選手たちが次々と活躍した。
背番号「15」。与座が特別な番号を背負い天国に勝利をささげた。岐阜経大1年時の14年5月、同学年でチームメートの中野宏紀さん(享年18歳)が事故死。2人は1年春からベンチ入りし、互いを高め合う存在だった。その相棒がつけていた番号が「15」だった。
「特別な番号だし、覚悟を持たないといけない。応援してくれていると思うので、いい番号で活躍している姿を見せたい」
相棒は勝ち気な性格で、感情をむき出しにする投球スタイルだった。当時は同じサイドスローで「重なる部分がある。いつでも熱い気持ちを持って投げていかないと…」。背番号を見るたびに、戦う姿勢の大切さを思い出してきた。ドラフト前には香川の実家に手を合わせに行った。
そして、23年オフに背番号「44」から「15」に変更。球団からは同じアンダースローで通算112勝をマークした「兄やん」こと松沼博久氏が背負っていた番号を託された。この日、同氏は解説で大宮を訪れ「辛口(解説)でもいいか?頑張ってな」と背中を押され、懸命に腕を振った。
雨のマウンドにも動じず、6回4安打無失点で今季初勝利。多くの思いを背負った「15」では先発初勝利になった。5回1死一、三塁は藤岡を二直。三塁走者が飛び出して併殺となり、雄叫びを上げた。130キロ台の直球に100キロ台のカーブ、クイックも組み合わせる投球術でロッテ打線を手玉に取り「緩急を意識したり、場面に応じて投げられた結果」とうなずいた。
これで今季は2試合を12回連続無失点。「ライオンズの15番を受け継いだことに誇りを持って投げられている」。沖縄から出航したサブマリンは特別な1勝をつかみ、空を見上げた。(福井 亮太)
≪平良手応え8S≫沖縄出身の平良が9回に登板し、無安打無失点で8セーブ目をマークした。1死から四球も立松を見逃し三振、最後は池田をカットボールで二飛に斬って1点のリードを守り切った。「どんな状況でも抑えることが仕事。球速も徐々に上がってきている」と手応えを語っている守護神が零封リレーを飾った。