セは左腕投手、パは「大卒野手カルテット」 好スタートを切った新人たち
2025年5月11日(日)13時30分 ココカラネクスト

伊原は9試合に登板し、安定したピッチングを見せている(C)産経新聞社
3月末に始まった今年のプロ野球。まもなく開幕から1か月半が経つ。ペナントレース全体の4分の1を消化して、各チームの陣容も見えてきたようだ。そんな中、今年からプロの世界に入った新人選手はどうなっているだろうか。好スタートを切った選手を中心にまとめたい(データは5月9日現在)。
【動画】レジェンドたちもうならせた、ドラ1伊原がまたも安定のピッチング!
■阪神ドラ1・伊原は初先発初勝利
セ・リーグは3人の左腕投手が話題を呼んでいる。
1人目は阪神・伊原陵人だ。社会人のNTT西日本からドラフト1位で入団。スピンの効いた直球を武器に、開幕から救援で6試合連続無失点を記録。4月20日の広島戦(甲子園)で満を持して先発マウンドに送り込まれると、5回無失点5奪三振の好投。初先発初勝利をマークした。その後は勝ち星に恵まれないものの、防御率1.75の好成績を残している。
2人目はヤクルト・荘司宏太だ。こちらも社会人のセガサミーからドラフト3位で入団。ブレーキの効いたチェンジアップが武器で、開幕から救援陣の一員として活躍。12イニングで17奪三振と、三振奪取能力の高さを見せつけている。ただ、5月8日にコンディション不良で登録抹消。高津臣吾監督は「当分いないと思います」と長期離脱を示唆。早期回復を願うばかりだ。
最後、3人目は中日・金丸夢斗。関西大時代に侍ジャパントップチームに選ばれるほどの逸材は、4球団競合の末に名古屋の地へ。大学4年時に痛めた腰の状態を鑑みてスロー調整が続いていたが、5月5日のDeNA戦(バンテリンドームナゴヤ)でついに一軍デビュー。敗れはしたものの、6回2失点8奪三振の力投を披露した。
この他には、投手だと岡本駿(甲南大→広島3位)や、工藤泰成(四国ILplus・徳島→阪神育成1位)が救援で活躍。野手は捕手の石伊雄太(日本生命→中日4位)、内野手の浦田俊輔(九州産業大→巨人2位)が経験を積んでいる。
■宗山の真髄は「新人らしからぬ落ち着き」
パ・リーグは複数の大卒野手が早くもチームの主力になりつつある。
その筆頭は楽天・宗山塁。明治大から5球団競合で入団した「20年に1人の遊撃手」は、開幕からポジションをガッチリとつかんでいる。ここまで欠場したのはわずか1試合のみで、チーム最多の33安打をマーク。守備では4失策を喫してはいるものの、新人らしからぬ落ち着きは他に類を見ない。
開幕からハイアベレージを残しているのが西武・渡部聖弥。大阪商業大からドラフト2位で入団すると、勝負強さを武器にクリーンアップの一角を確保。右足首を痛めた関係で規定打席にこそ満たないが、打率.344、OPS.806をマークしている。
オリックスのドラフト1位・麦谷祐介は、富士大時代から運動能力の高さが評判。俊足強肩の外野手として、チームに勢いを与える。盗塁数はチームトップの6個で、バックホームで危機を救ったことも。不在だったセンターの定位置を奪う日もそう遠くないか。
大学屈指のスラッガーで鳴らしたロッテ・西川史礁(青山学院大)は、開幕戦から5試合連続安打をマーク。その後は不振に陥りファーム落ちするも、打率4割超と違いを見せて、大型連休中に再昇格。ここからの本領発揮に期待だ。
この他には、江原雅裕(日鉄ステンレス→楽天4位)が開幕から1か月で9試合に登板。山縣秀(早稲田大→日本ハム5位)は二遊間のバイプレーヤーとして出場機会を増やしている。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]