ド軍指揮官 佐々木朗希のマイナー降格論を一蹴「ここで学ぶことが非常に大きな価値を持っている」
2025年5月11日(日)9時24分 スポーツニッポン
ドジャースのデーブ・ロバーツ監督(52)が10日(日本時間11日)、敵地でのダイヤモンドバックス戦前に取材対応。前日に4回0/3を投げ、プロワーストの5失点、初の奪三振なしに終わった佐々木朗希投手(23)をマイナーで調整させる考えがないことを明言した。
指揮官は球速が90マイル台中盤にとどまっていることについて問われると「懸念というより、やっぱり一番気になるのはコマンド(制球)。98〜99マイルが出ないのであれば、ボールの置きどころが一層重要になる。もちろん、それは球速が出ていても変わらないけれど、特に90マイル台中盤では、本当に丁寧にコントロールしないと通用しない。これはチームとして一緒に取り組んでいくべき課題だし、朗希本人も理解している。彼にとってはまだメジャー1年目。このリーグに順応していくプロセスには、ある程度の“猶予”が必要だと思っている」と見解を示した。
「以前から言われていた“未完成な素材”という前提の範囲内か?」との問いには「まさにその通り」と回答。続けて「朗希は非常に才能がある投手だけど、まだ仕上げの段階にいる。いわば“フィニッシングスクール(仕上げの学校)”に通っているようなものだ。我々もそれを覚悟していたし、本人にとっては結果が出ないことは辛いだろうけど、ここは厳しいリーグだから」と話した。
報道陣からマイナーでの調整を提案されたが「どんな理論よりも、実際に経験することに勝るものはない。彼は今、明らかに苦しんでいるけれど、それこそが大事な経験だ。メジャーの打者は、何を修正すべきかをはっきりと教えてくれる。もちろん、コーチは色々と言うし、本人も色々と考えるけれど、最終的には対戦相手の反応が最大の指標になる。彼はこの場で必ず調整をしてくると思うし、それはここ(メジャー)でしか得られない学びだ」と強調した。
この状況が続けばマイナー降格も考えるかと問われても「いや、今の時点ではマイナーに落とすことは全く考えていない。むしろ、今ここで学ぶことが非常に大きな価値を持っていると思っている」と否定した。
また、昨季メジャー1年目だった山本由伸にも適応期間が必要だったとし「昨年の山本にも調整期間があったよ。彼はその時点で朗希よりも数年年上で、投球回数もかなり多く積んできていたけれど、それでもやはり最初は苦労していた。つまり、たとえ実績がある選手でも、メジャーに適応するにはある程度の時間がかかるものなんだ。だからこそ、朗希についても今の状況はまったく想定外じゃない。成長の一環として受け止めている」と話した。