巨人・山崎伊織プロ初の満塁被弾も「伊織」の名が男の子人気上昇中…実は「太郎」と「右京」の3択だった

2025年5月16日(金)5時0分 スポーツ報知

6回1死、小園に逆転満塁本塁打を打たれ、膝に手をつきうなだれる山崎(右は三塁走者・菊池=カメラ・義村 治子)

◆JERA セ・リーグ 広島5—1巨人(15日・マツダスタジアム)

 巨人が敵地マツダで7年ぶりとなる開幕6連敗を喫し、4位に転落した。先発の山崎伊織投手(26)は広島打線を相手に5回まで無失点だったが、1点リードの6回1死から小園にプロ初の満塁被弾。この回でマウンドを降り、今季初黒星を喫した。打線は5回に押し出し四球で挙げた1点だけで連続適時打なしは61イニングに。今季初の4連敗で最大5あった貯金は底をついた。16日からは中日3連戦。本拠・東京Dで流れを変えたい。

 白球は真っ赤に染まるスタンドへ一直線に伸びた。巨人・山崎は膝に手をつき、しばらく動けなかった。1—0の6回。1死満塁のピンチ。小園を追い込んだが、4球目の135キロ、高めに抜けたカットボールを捉えられた。打球はグングンと伸び、右翼席へ飛び込む逆転のグランドスラム。ぼう然とした表情でうなだれた。それでも後続は打ち取り、6回102球を投げ切って、7安打4失点3K。今季7戦目で初黒星となり「みんなで必死に取ってくれた1点を何とか守り切りたかった。今日は僕が打たれて負けました」と責任を一身に負った。

 一発に泣いた。前回7日の阪神戦(東京D)で開幕から続いていた無失点記録が36イニングで止まった。それでも開幕から5連勝と好調の右腕は最速151キロを計測した直球が走り、フォークやカットなどで走者を背負っても冷静に抑えた。

 「粘り強く投げたい」と語っていた通り、5回2死満塁のピンチでは中村奨を二ゴロに打ち取り、0を並べた。しかし、6回の攻撃で無死満塁からのチャンスを逃した直後、まさかの展開が待っていた。「結果的にあの(本塁打の)一球投げ切れなかったことが試合を決めてしまい、悔しいです」と唇をかんだ。

 開幕からの連勝は5でストップしたものの、防御率は1・17と、ここまでエース級の活躍で「伊織」の名を知らしめている。「年々、人気になっているらしいで」と男の子の名前としても浸透しているという。「伊織はいいよ! 高校の監督とか、小学校から大学までみんな『伊織』と呼んでくれる」と語る。チームでも「山崎」と呼ぶ人はおらず、右腕にとってもお気に入りの名前だ。

 もしかしたら、全く違う名前かもしれなかった。「字の画数で3つに絞って、伊織か太郎か、右京の3択やったんやで! お姉ちゃんが『伊織がいい!』って言ったから伊織になった」と意外な選択肢もあったことを明かす。この日は悔しい結果となったが、なかなか援護がない苦しい中、力投した右腕へマツダに集まったG党から「伊織〜」と温かな声が飛び交った。

 チームに右腕を責める人間はいないが、繰り返し「僕が打たれて負けた、それだけです」と語り、バスに乗り込んだ背番号19。苦しい状況だからこそ、なんとか勝ち切りたかった。その強い思いは、仲間、そして多くのファンの心に届いている。(水上 智恵)

援護なく重圧

◆高木豊氏Point  山崎は気合が乗ったいいピッチングだった。ただ、これだけ援護がない状態で投げていると、ゼロで抑えなくてはいけないという重圧もかかり、自然と窮屈になる。「同点でもいい」と開き直って小園を迎えられたら、満塁弾という結果は違ったものになっていたかもしれない。周りを信じて、余裕を持って投げられる状態で、次のマウンドに向かわせてあげたいよね。(スポーツ報知評論家)

スポーツ報知

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