巨人・グリフィンお立ち台で「本当は岸田もここにのぼってもらいたい」全幅の信頼置く相方と研究の成果で開幕3連勝

2025年5月18日(日)5時15分 スポーツ報知

6回1死一塁、田中を一飛に打ち取ったグリフィン(カメラ・今成 良輔)

◆JERA セ・リーグ 巨人1ー0中日(17日・東京ドーム)

 研究通り投げ込んだ。巨人のF・グリフィン投手(29)が丁寧にフィニッシュした。最後は3者凡退で今季最長の7回を無四球無失点、6奪三振。お立ち台から「本当は岸田もここにのぼってもらいたいくらい、打者に的を絞らせないリードをしてくれた」と感謝した。開幕から無傷の3連勝。中日戦は来日5連勝とした。

 相手エース・高橋宏との投手戦を制した。140キロ台中盤と決して本調子でない直球を、5種の変化球で生かした。中でも抜群だったのが130キロ台でブレーキを利かせたチェンジアップ。奥行きで翻弄(ほんろう)した。10日ヤクルト戦(神宮)では約5%(95球中5球)だったチェンジアップを、この日は4回までの56球で10球。「最初から今日はいこうと思っていた」。前回精度の悪かったスプリットではない落ち球の割合を序盤に増やし、打者に意識させたのが功を奏した。

 被安打3。「的を絞らせないよう研究してきた」との言葉通り、二塁すら踏ませなかった。「全幅の信頼を置いている」という岸田とのバッテリーも3戦連続で息ぴったり。「言葉にせずとも分かってくれる。リアリースマート」と出番がない日も資料を熟読する相方の“頭脳”に頭を下げた。

 マウンドではクールに緻密な計算を繰り返す。練習中は日本で流行のJ—POPやラップをおちゃめに口ずさむが、野球の話となれば瞬く間に理論派へ変身。球の回転効率や回転軸に強いこだわりを持ち、事細かに言語化する能力がある。昨季まで3年連続12勝の戸郷が日頃から左腕に積極的に質問しに行くのも信頼の証し。「戸郷の球質的にはこうじゃない?」と助言は的確だ。同僚のささいな変化にも気付ける眼力で、打者の変化も見逃さない。「去年、中日相手にチェンジアップが有効だったのを覚えていた」と全ての準備が実った94球だった。

 5回にはバットを短く持って高橋宏から今季初安打となる右前打。1—0勝利に導く力投に、阿部監督も「素晴らしいベストピッチング。うちの理想の勝ち方だった」と拍手した。発熱などによる出遅れを取り返す3勝目でチームも5カードぶりに勝ち越し。救援登板含め今季は4登板で防御率0・90、直近先発3試合の失点は0、1、0と快投が続く。2週間後には名古屋で再び中日戦。通算8度の対決で負け知らずの竜キラー。その背中は頼もしい。(堀内 啓太)

スポーツ報知

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