広島・中村奨成の本盗も失敗...奇襲裏目で首位攻防戦痛~い負け越し 新井監督「私の責任」阪神と1.5差
2025年5月19日(月)5時2分 スポーツニッポン
◇セ・リーグ 広島1-3阪神(2025年5月18日 甲子園)
広島は18日、敵地で阪神に敗れ、2連敗。首位攻防3連戦に負け越しを喫し、阪神とのゲーム差は1.5に広がった。1—0の6回2死三塁で、三塁走者・中村奨成外野手(25)が本盗を試みて失敗。奇襲が裏目に出ると、その裏に守備のミスが絡んで逆転を許した。新井貴浩監督(48)は「私のミスです」と采配を反省した。
奇襲は実を結ばなかった。1—0の6回2死三塁。4番・末包の打席で、カウント1ボールから三塁走者・中村奨が本盗を仕掛けた。一直線に右足から滑り込んだが、あえなくタッチアウト。1点リードで、チームの中軸選手が打席にいる状況だった。新井監督は、それでも思い切った攻撃を敢行した理由を説明した。
「事前に(伊原なら)チャンスがあるということだったので、思い切って行った。4番の場面で、もちろん、1アウトだったら、あれ(自重)だけど、2アウトだったというのもあって…。でも、あそこは私のミスです」
ルーキー左腕・伊原の投球モーションは、足を上げる時間が長いという分析データがあった。タイミングを見計らい、追加点を狙って仕掛けたが、相手バッテリーに冷静に対処された。中村奨は「アウトになってしまったので…。また次、頑張ります」と必死に前を向いた。
このプレーで流れが一変。6回の守備の乱れが致命傷となった。1死二塁から中野の左前打の打球を左翼手・ファビアンがファンブル。守備がもたつく間に同点とされた(記録は安打と失策)。新井監督は「思い切って、前に出てくれたので何も問題ない」とかばったが、当のファビアンは「あそこは捕らないといけない。打撃だけじゃなく、守りも凄く大事なので、しっかりプレーしたい」と猛省した。
なおも1死二塁で、森下の打球は、再びファビアンのところに飛んだ。しかし、捕球ミスがあったからか、今度はチャージをかけず、慎重に捕球。その後の本塁送球はそれ、二塁走者・中野に決勝の生還を許した。
打線は4回に挙げた1点のみで、相手先発の伊原を攻略できなかった。チームは阪神との首位攻防戦に2連敗で負け越し、ゲーム差は1.5に広がった。20日からは、ヤクルト、DeNAを迎えて本拠地マツダスタジアムで今季初の6連戦。再進撃に向け、新井監督は「また頑張りたいと思います」と言葉に力を込めた。(長谷川 凡記)