「誰もができる動きではない」若隆景センス光る逆転のおっつけ…元大関・琴風の目

2025年5月21日(水)5時10分 スポーツ報知

若隆景(手前)が肩すかしで安青錦を下し勝ち越しを決める(カメラ・今西 淳)

◆大相撲 ▽夏場所10日目(20日、東京・両国国技館)

 小結・若隆景が東前頭9枚目・安青錦(あおにしき)を肩透かしで下し、2敗を死守して優勝戦線に生き残った。三役での勝ち越しは関脇だった2023年初場所以来だ。初の綱取りに挑む大関・大の里は西前頭4枚目・一山本を押し倒し、ただ1人の初日から10連勝で後続に2差をつけて独走。1敗が消え、2敗は横綱・豊昇龍、若隆景、平幕の伯桜鵬、安青錦の4人となった。

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 序盤は安青錦の流れだった。若隆景の出足を止め、回転の利いた突っ張りで懐に入れずに前に出た。ここまでは作戦通りだった。

 しかし、一瞬の隙を突かれた。若隆景が右を差してからの右のおっつけで形勢は逆転した。横に動いて、土俵際での余裕のある肩透かし。終わってみれば番付通りの差がある相撲内容だった。若隆景の右を差してのおっつけに“うまさ”を感じた。誰もができる動きではない。センスの良さが光ったといえる。

 11日目は全勝の大の里との一番が組まれた。若隆景が勝ち込んでいるからこそ注目度100%の好取組になった。若隆景は今場所も低い立ち合いから大の里の突っ張りをかいくぐって懐に入りたいが、大関の状態も最高潮に近い。威力がある右からのかち上げ気味の体当たりではじかれてしまうシーンが十分にあり得ると思っている。(元大関・琴風、スポーツ報知評論家)

スポーツ報知

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