楽天・宗山 プロ初サヨナラ打「うれしかった」 卒業文集に記した「超一流」へ!また一歩階段上がった
2025年5月23日(金)5時30分 スポーツニッポン
◇パ・リーグ 楽天2−1西武(2025年5月22日 楽天モバイル)
初めての劇打だ!楽天のドラフト1位・宗山塁内野手(22)が22日、同点の9回1死三塁からプロ初のサヨナラ打となる中犠飛。チームの連敗を3で止める貴重な決勝打となった。21日発表の球宴ファン投票の第1回中間発表でパ・リーグ遊撃手部門トップで登場した期待のルーキーが、劇的な一打でファンを魅了した。
まさに、水も滴るいい男だ。歓喜のウオーターシャワーで、ずぶ濡れになった宗山が、仙台の夜空に向けて両手を上げて喜んだ。
1—1の9回1死三塁。ウィンゲンターが投じた低めのスライダーをすくい上げた。背走する中堅・西川がグラブに収めたが、飛距離は十分。プロ初の「サヨナラ打」に、先輩たちから次々に手荒い祝福を受けた。「ヘルメットもびしゃびしゃになっちゃったんですけど、うれしかった」と笑った。
盛岡で行われた20日の同戦で歴代4位の浅村の連続試合出場が1346で止まった。3連敗中の重苦しい空気も吹き飛ばし「シーズンを戦っていく上でそういう時期もある。そういう時に打開できる選手が必要なのかな」と胸を張った。
スター街道を歩む22歳。中学校の卒業文集に「超一流のプロ野球選手になる」と夢を書いた。そして、生まれる4年前、99年の世紀の対決に大きく心を揺さぶられた。高卒ルーキーの西武・松坂大輔が、オリックス・イチローを初対決で3打席連続三振。1カ月半後にはイチローが通算100号を松坂から放ち“リベンジ”を果たした。「とんでもない。レベルが違う」。動画で何度もその姿を見ては、いつか2人のように——と大志を抱いた。
超一流が集まる舞台への道が見えてきた。球宴ファン投票の中間発表では、パ・リーグ遊撃手部門で4万8224票を集める。2位のオリックス・紅林に1万票近い差をつけトップを快走。「もし、自分が選んでもらえたら、素晴らしい経験になる。意見交換のいい場かなと思います」と早くも目を輝かせている。
殊勲の一打を三木監督も「よく状況を判断して、前に飛ばせばという形で食らいついた」と称えた。「目の前の試合を頑張るだけ。その結果(オールスターに)行けたら」と宗山。まばゆい光を放つ黄金ルーキーが、チームを救った。(花里 雄太)
≪今季新人3人目≫楽天のルーキー宗山が9回にサヨナラ中犠飛。今季の新人サヨナラ打は4月29日ロッテ戦の麦谷(オ=単打)、5月18日日本ハム戦の西川(ロ=二塁打)に次いで3人目。楽天では12年8月26日日本ハム戦、同年9月8日西武戦の岡島豪郎(いずれも単打)、19年5月8日ソフトバンク戦の辰己、同年8月12日オリックス戦の渡辺佳(いずれも二塁打)に次いで4人目(5度目)。