亀田和毅は3階級制覇逃す 圧倒的不利の予想から接近戦で逆襲 大健闘も0―2判定負け
2025年5月24日(土)18時34分 スポーツニッポン
◇プロボクシングIBF世界フェザー級タイトルマッチ 王者アンジェロ・レオ(米国)<12回戦>同級1位亀田和毅(TMK)(2025年5月24日 インテックス大阪)
亀田3兄弟の三男・和毅(33=TMK)がIBF世界フェザー級王者アンジェロ・レオ(30=米国)に0—2の判定で敗れ、日本人8人目の3階級制覇を逃した。元WBO世界バンタム級、元WBC世界スーパーバンタム級王者の亀田和は19年7月以来5年10カ月ぶりの世界戦だったが、世界王座返り咲きはならなかった。
「ホーム」大阪の観客席が静まりかえった。王者・レオの牙城を崩すまではいかなかった。今大会をプロデュースする兄・興毅に続く、3階級制覇の夢はついえた。ジャッジの採点は2人が115—113、116—112でレオを支持し、1人は114—114だった。
スピード勝負で勝りたい和毅に対しレオは反応良く、ジャブの差し合いでストレートからボディーまでしっかり入れてきた。和毅も4回から打ち合いを仕掛け、5回にはカウンターの左ストレート、ボディーをヒットさせて流れを変えた。6回にはガードの上からフックを叩きつけるなど逆にプレスをかけ、自身も被弾しながら9回には強烈な左ボディー。最後まで激しく打ち合い勝利への執念を見せたが、惜しくもおよばなかった。
戦前は圧倒的不利が叫ばれていた。中継するABEMAの勝敗予想投票では、王者の勝利を予想したのが68・9%に対し、和毅は31・1%。ただ、挑戦者は無関心を決め込み、眼前の一戦に集中していた。
「予想って、みんなできるやないですか。だれが何を言おうがやることは一緒。やってきたことを全部リングで出すだけですから」
ブレない姿勢が言葉に潜んだ。6年ぶりの世界戦とはいえ、調整はいつも同じ。父・史郎氏を筆頭にしたトレーナー陣やメンテタンスを担当するスタッフなど、10人の「チーム和毅」が33歳の円熟ボクサーを支えた。信頼関係が築いた絆は強固でも、フェザー級で一番と言われる実力者の壁は厚かった。
日本人のフェザー級王者戴冠なら、長谷川穂積以来、15年ぶりの快挙だった。イベントのサブタイトルが「亀田家最終章」。決戦前日、トレーナーの亀田史郎氏は「最後の戦い。これで(力を)出されへんかったら、和毅も最後」と明言した。円熟のボクサーが次に目指すものは——。